2HDN糖尿病ニュース10月19日配信2
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若年1型糖尿病患者はポンプ療法と頻回注射のどちらを選択すべき?

2万人近くの若年1型糖尿病患者を約3年間追跡した結果、インスリンの頻回注射と比べてインスリンポンプ療法は低血糖などの合併症を抑制し、血糖コントロールにも有用な可能性があると、ドイツ糖尿病研究センターのJoachim Rosenbauer氏らが「Journal of the American Medical Association(JAMA)」10月10日号に発表した。

インスリンを十分に産生できない1型糖尿病患者では、インスリンポンプや頻回注射でインスリンを毎日補充する必要がある。しかし、どちらの治療法もインスリン投与量のバランスをとるのは難しく、インスリン量が多過ぎると低血糖に、少な過ぎても血糖コントロールの不良や糖尿病ケトアシドーシス(DKA)など生死に関わる問題につながる。また、高血糖状態が未治療のまま長期間続くと心臓病や網膜症、腎症などの合併症も引き起こす。

今回の研究は2011年から2015年にかけて行われ、ドイツ、オーストリア、ルクセンブルクにおける446施設から3万579人の20歳未満の1型糖尿病患者が参加した。対象患者を、4回以上のインスリン注射を行っている患者群とインスリンポンプ療法を行っている患者群(それぞれ1万6,460人、1万4,119人)に分けて重症低血糖とDKAの発生率を調べたほか、血糖コントロール状況を比較した。なお、対象患者の平均年齢は14.1歳で、1型糖尿病と診断されてから1年以上が経過していた。

最終的に、性や年齢を一致させたポンプ療法群9,814人と注射治療群9,814人のデータを抽出して解析した結果、ポンプ療法群では注射治療群と比べて重症低血糖(100人年当たり9.55件対13.97件、P<0.001)およびDKA(同3.64件対4.26件、P=0.04)の発生率が低いことが分かった。

また、追跡期間中のHbA1cの平均値はポンプ療法群では8.04%、注射治療群では8.22%とポンプ療法群で有意に低いことも明らかにされた(P<0.001)。

専門家の一人、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のRobert Rapapor氏は「インスリンポンプ療法の方が注射治療よりもきめ細かいインスリン投与量の調整ができる」と説明する。ただし、インスリン注射でも良好な血糖コントロールを行うことは可能なため、治療を選択する際には患者の好みを重視して決めるべきだとしている。同氏によると問題はインスリンポンプにかかる費用にあり、約5,000ドル(約52万円)の初期費用に加えて月々の支払いも必要となるため患者には負担がかかるという。

しかし、Rapapor氏は今回の研究結果を踏まえた上で、「インスリンポンプは注射治療よりも高価にはなるが、高い治療効果が得られるため合併症を減らすことができ、結果的に医療コストの削減につながるのではないか」とその有用性を強調している。別の専門家もインスリンポンプを用いて頻回注射をしなくてもよい状態になることで、患者は普通の人と同じような生活を送れるようになるとその利点を説明している。(HealthDay New 2017年10月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-i-diabetes-news-182/pump-may-beat-shots-for-type-1-diabetes-727366.html

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