2HDN糖尿病ニュース11月9日配信1
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糖尿病患者の腎不全、1990年代半ばから減少傾向に――米CDC報告

米国では糖尿病患者は増加の一途にある一方で、糖尿病腎症が進行した腎不全患者は減少傾向にあることが、米疾病対策センター(CDC)の報告で明らかになった。CDCが発行する「Mortality and Morbidity Weekly Report」11月3日号に掲載された報告によると、糖尿病患者のうち透析療法や腎移植を必要とする末期腎不全(end-stage renal disease;ESRD)に至った患者は1990年代半ばから減少傾向にあり、2000年から2014年には33%減少したことが明らかにされた。

CDCのDivision of Diabetes Translationの疫学者であるNilka Rios Burrows氏は「糖尿病と腎不全のリスク因子の啓発を進めるとともに、糖尿病の治療の質を向上させ、その予

防に尽力し続けることで、こうした腎不全患者の減少傾向を今後も維持できるだろう」と述べている。

今回の調査は、米国内の50州とコロンビア特別行政区(ワシントンD.C.)、プエルトリコにおける国内の腎臓データシステム(U.S. Renal Data System)と行動リスク因子サーベイランスシステム(Behavioral Risk Factor Surveillance System)から2000~2014年のデータを解析したもの。この期間中、年齢を調整した糖尿病患者におけるESRDの発症率は10万患者当たり206.2件から173.9件に33%減少し、ほとんどの州で有意な減少が認められた。

調査によると、成人の糖尿病患者の3人に1人に腎機能障害や腎機能の低下がみられたが、患者の多くはそのことに気づいていないことも分かった。Rios Burrows氏らは「糖尿病患者では腎臓病のスクリーニングを早期に行うことが大切であり、よりよい治療を早期に行うことで合併症も予防できる」と述べている。

また、この調査結果を踏まえてRios Burrows氏らは、糖尿病患者では腎不全のリスク因子である高血圧と高血糖が良好に管理されている可能性が示唆されると指摘している。例えば、ACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)は血圧を下げると同時に腎機能の低下を遅らせる働きも持ち合わせるとされ、糖尿病患者の降圧と血糖コントロールを目指した治療が腎不全の抑制に影響している可能性が考えられるという。

調査には参加していないが、米レノックスヒル病院の腎臓専門医であるMaria DeVita氏もこうした見解に同意を示す一方で、「今回の調査データは自己報告に基づくものであり、解釈には注意が必要だ。また、ESRDに至る前に腎移植を受ける患者が増えており、こうした患者のデータは把握できていない点にも留意する必要がある」と述べている。

CDCの推定によると、米国人における糖尿病患者の割合は9%を超えており、腎臓病患者を減らすには2型糖尿病を予防することが先決だとされている。専門家らは、米国で腎臓病患者が減少傾向にあることを示した今回の調査結果に満足することなく、糖尿病と腎臓病の予防や早期治療の大切さを医療関係者だけでなく一般にも広く啓発すべきだと強調している。(HealthDay New 2017年11月2日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/centers-for-disease-control-news-120/kidney-failure-declining-among-u-s-diabetics-cdc-728163.html

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