2HDN糖尿病ニュース11月16日配信1
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メタボ予防に全粒穀物の摂取が有効

精製された穀物の代わりに全粒粉や玄米といった精製されていない「全粒穀物」を多く摂取すると満腹感が得られやすく減量に効果的なほか、全身の炎症も低減することが、デンマークで行われた研究で報告された。全粒穀物が豊富な食事はメタボリック症候群の予防や進展抑制につながる可能性があるという。詳細は「Gut」11月1日オンライン版に掲載された。

論文の責任著者であるデンマーク工科大学教授のTine Rask Licht氏は「この研究結果は、全粒穀物の摂取を推奨することが科学的根拠に基づくことを裏づけるものだ。また、全粒穀物の中でも特にライ麦を摂取すると全身の炎症低減に効果的なようだ」と述べている。

今回の研究は、血糖異常や脂質異常、高血圧などのメタボリック症候群のリスク因子を1つ以上有する成人男女60人を対象としたもの。参加者は20~65歳で、全員が過体重または肥満であった。

Licht氏らは、参加者をランダムに2つの群に割り付けて、一方の群では、最初に全粒穀物が豊富な食事(1日75g以上)を8週間続け、次に普段の食事を6週間続けるウォッシュアウト期間を設けた後、精製穀物を中心とした食事(全粒穀物の摂取量を1日10g未満に制限)を8週間続けてもらい、もう一方の群では食事の順番を逆にするクロスオーバー試験を行った。参加者には血液検査を行うとともに、採取した糞便試料からDNAを抽出して腸内細菌の組成について解析した。なお、全粒穀物には小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、玄米、乾燥トウモロコシなどが含まれていた。

参加者のうち50人が全粒穀物または精製穀物が中心の食事を終了した。解析の結果、精製穀物と比べて全粒穀物を中心とした食生活を送るとエネルギー摂取量とともに体重も減少することが分かった。この結果について、Licht氏は「全粒穀物を食べると満腹感が得られやすく食べる量も減ったことが減量につながったのではないか」と話している。

また、全粒穀物が豊富な食事を取るとメタボリック症候群のリスク因子とされるインターロイキン(IL)-6やC反応性蛋白(CRP)といった全身性の炎症マーカーが大きく低下することも分かった。一方で、全粒穀物を多く摂取しても腸内細菌叢の組成に大きな変化はみられないとする結果も得られた。

米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏は、これまでの研究では全粒穀物を摂取すると腸内細菌叢に変化がもたらされ、インスリン抵抗性が改善する可能性も一部で報告されていると指摘しつつ、「Licht氏らの研究は、これらの効果を示すには小規模であったか、摂取する穀物の種類や量、研究期間も結果に影響した可能性もある」と説明している。

また、Heller氏は、全粒穀物はビタミンやミネラルを多く含む健康的な食品であるが食べ過ぎには気をつける必要があるとし、理想的な食事の構成として「でんぷんを含まない野菜を半分、全粒穀物とたんぱく質をそれぞれ4分の1とするのが良い」とアドバイスしている。さらに、同氏は食品を選ぶ際にはパッケージに「全粒穀物でできている」と表示されていても、栄養成分の表示を改めて確認するよう促している。(HealthDay New 2017年11月9日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dieting-to-increase-fiber-health-news-194/switching-to-whole-grain-foods-could-trim-your-waistline-728375.html

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