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適度な飲酒で全死亡リスクが低減 多目的コホート研究から

国立がん研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)グループは、適度な飲酒は全死亡のほか、がんや心臓病、脳血管疾患の三大死因による死亡リスクの低下と関連するとの研究結果を「Journal of Epidemiology」11月11日オンライン版に発表した。一方で、男女ともに飲酒量が多過ぎると死亡リスクは有意に上昇したことから、適量飲酒の重要性も再確認された。

研究グループは今回、JPHC研究に参加した一般住民を前向きに約18年間追跡したデータを用いて、飲酒量と休肝日の有無や日数などの飲酒パターンが全死亡や心臓病、脳血管疾患、呼吸器疾患、病気を除いた傷害といった死因別の死亡リスクにどのような影響を及ぼすのかを調べた。

対象は、1990年および1993年にがんや循環器疾患の既往がない40~69歳の住民10万2,849人。平均18.2年の追跡期間中に1万5,203人の死亡が確認された。研究開始時と5年後および10年後の調査時に行った質問紙調査への回答から、週当たりのエタノール換算した飲酒量を算出し、飲酒量で男性は7つの群に、女性は6つの群に分けて各死亡との関連を分析した。また、休肝日の有無や日数で(1)休肝日なし群、(2)週1~2日群、(3)週3~4日群、(4)週5~6日群の4群に分けて分析した。

なお、飲酒量による分類は、男性は(1)飲酒しない群、(2)月に1~3日程度飲む群、(3)1週間当たりエタノール換算量で1~149g飲酒する群、(4)同150~299g群、(5)同300~449g群、(6)同450~599g群、(7)同600g以上群に分け、女性は男性の1週間当たりエタノール換算量で450g以上群をまとめた6つの群とした。エタノール換算した飲酒量の目安は、週150gがビール大瓶では約7本、日本酒では約7合に相当するという。

その結果、全死亡リスクは、男性では飲酒しない群と比べて、月に1~3日程度の少量飲酒する群と中程度(エタノール換算量で週に500g未満)の飲酒をする群で低下したが、飲酒量が多い群(週600g以上)ではリスクは上昇していた。女性でも少量から中程度(エタノール換算量で週に150g未満)の飲酒をする群で全死亡リスクは低下したが、飲酒量が多い群(週450g以上)ではリスクは有意に上昇し、男女ともに飲酒と全死亡はJ字型曲線(Jカーブ)の関係にあること分かった。

また、死因別の分析では、男性はがんと脳血管疾患による死亡と飲酒量との間にはJカーブの関係がみられたが、心疾患と呼吸器疾患による死亡との間にはU字型曲線(Uカーブ)がみられた。一方、女性はがんと心臓病、脳血管疾患による死亡と飲酒量との間にJカーブの関係がみられた。

さらに、週に1日以上飲酒する男性に限定して週当たりの飲酒量別に3つの群(週150g未満、150~299g、300g以上)に分け、休肝日がない群と比べた休肝日のある群の死亡リスクを分析した。その結果、休肝日を週に1~2日取り、かつ飲酒量が週150g未満の群では全死亡リスクが低下したほか、飲酒量にかかわらず休肝日を週に1~2日取る男性は脳血管疾患による死亡リスクが低下していた。

これらの結果から、研究グループは「今回の研究で、多量飲酒を避けて適量飲酒をすることが健康には重要なことが再確認されたほか、休肝日を取ることが健康に好影響をもたらすことが示された」と述べている。(HealthDay News 2017年11月27日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20160200/_article

Press Release
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8045.html

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