2HDN糖尿病ニュース1月5日配信1
image_print
疾患・分野別ニュース/糖尿病/

腎機能低下で糖尿病リスクが上昇

糖尿病になると腎機能が低下し、腎不全につながることが知られているが、腎機能が低下して血中尿素窒素(BUN)濃度が高まると糖尿病の発症リスクが上昇する可能性があることが新しい研究で示された。研究を行った米ワシントン大学医学部のZiyad Al-Aly氏は「腎不全は糖尿病の発症につながる可能性があり、老廃物である尿素の蓄積がこれらの疾患を関連づける重要な役割を果たしている」と述べている。研究の詳細は「Kidney International」2017年12月10日オンライン版に掲載された。

尿素は体内でタンパク質が分解された際に生じるもので、血液中の尿素に含まれる窒素分がBUNと呼ばれる。BUNは通常、腎臓から尿中に排出されるが、腎機能が障害されて十分に排出されないと血液中のBUN濃度が上昇する。これまで基礎研究で血中の尿素レベルが上昇するとインスリン抵抗性が増大し、インスリン分泌不全につながる可能性が示唆されているが、血中BUN濃度の上昇と糖尿病の発症リスクとの関係は明らかにされていなかった。

そこで、Al-Aly氏らは、133万7,452人の糖尿病のない米国退役軍人を対象に、約5年間にわたる医療記録を分析して血中BUNと糖尿病リスクとの関係を調べた。中央値で4.93年の追跡期間中に17万2,913人が糖尿病を発症した。

対象者を血中BUN値で25mg/dL以下(BUN低値)と25mg/dL超(BUN高値)に分けて糖尿病リスクを比較したところ、BUNが低値の場合には推算糸球体濾過量(eGFR)と糖尿病発症リスクとの間に関連はみられなかったが、BUNが高値の場合にはeGFRが60mL/分/1.73m2以上でも低値の場合と比べて糖尿病リスクは1.27倍であった。

また、eGFRを連続変数に加えて解析した結果、BUNが低値の場合に比べてBUNが高値の場合には糖尿病リスクは1.23倍であった。BUN値の上昇はeGFR値とは独立して糖尿病リスクに影響を及ぼし、BUN値が10mg/dL上昇するごとに糖尿病リスクは1.15倍になった。なお、対象者のうち9%がBUN高値を示したが、Al-Aly氏らによるとこの比率は一般集団と大差はないものだったという。

Al-Aly氏は「BUNが高値である場合と低値である場合のリスクの差は10万人当たり688人であり、これはBUNが高値の人では糖尿病を発症する症例数が10万当たり688人多いことを意味する。糖尿病が腎不全の主要なリスク因子であることは知られていたが、今回の研究で腎不全が尿素レベルの上昇を介して糖尿病リスクを高めることへの理解が深まった」と述べている。

また、同氏は腎不全により排出されなかった尿素が血中に蓄積するとインスリン抵抗性が増大し、インスリン分泌が障害されると説明するとともに、「尿素レベルは薬物療法や食生活など多くの方法でコントロールできるため、今回の結果は糖尿病の予防と治療の向上に役立つだろう」と期待を示している。(HealthDay New 2017年12月26日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/kidney-disease-can-lead-to-diabetes-not-just-the-other-way-around-729238.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES