1-1 HDN1月9日「今日のニュース」No.2
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脳異常と犯罪行為の関係を探る

脳に病変が確認された後に犯罪行為に及んだ17人の脳画像データを解析した研究の結果、脳病変の位置はさまざまだが、全ての犯罪者の病変が特定の脳内ネットワークと関係していることが示唆された。この研究を率いた米バンダービルト大学のRichard Darby氏は「脳の異常が犯罪行為に影響するメカニズムの解明を進める一助となる研究結果」としている。詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」2017年12月18日オンライン版に掲載された。

1966年に米テキサス大学オースティン校で発生した銃乱射事件では、13人が死亡し、31人が負傷した。この事件の犯人で、銃撃戦の末に射殺されたチャールズ・ホイットマンは、事件を起こす前から頭痛を訴え、自身の人格が変わったと話していた。また、事件後には脳腫瘍があったことが判明。これをきっかけに研究者の間で脳の異常と犯罪行為との関係について関心が高まった。

Darby氏らは今回、犯行前に脳に病変が確認されていた犯罪者17人の脳画像データを収集し、分析した。その結果、病変はさまざまな脳領域に位置していたが、いずれも特定の脳内ネットワークに関係していた。

Darby氏によると、特定されたネットワークは健康な人では道徳的な意思決定に関与しているという。このことから、同氏は「同ネットワークに異常があると犯罪を起こしやすくなる理由を説明できる」としている。なお、別の犯罪者23人の脳画像データを用いて検証したところ、一致した結果が得られたという。

ただし、このネットワークに関係する領域に病変がある人が必ず犯罪を起こすわけではなく、遺伝や環境、社会的要因も関与している可能性があることをDarby氏らは強調。「これまでの研究でも一部の犯罪者の脳に異常が認められていたが、ほとんどの場合、その異常が犯罪行為の原因であるのか、結果であるのか、単なる偶然なのかは分かっていない」と説明している。

また、同氏は「脳病変のある人に対してその行為の法的責任を問うべきかどうかは、最終的には社会が答えを出すべき問題である」と付け加えている。(HealthDay News 2017年12月26日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/behavior-health-news-56/new-research-probes-the-criminal-mind-729415.html

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