Woman taking blood sample for measuring sugar level
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糖尿病患者を注射から開放する「パッチ型デバイス」に可能性

血糖値が上昇するとインスリン産生を促す薬剤を放出するパッチ型デバイスを皮膚に貼り付けることで、2型糖尿病患者は血糖値を測定する指先穿刺の煩わしさから解放されるだけでなく、インスリンなどの治療薬の注射も不要になる可能性のあることがマウスを用いた実験で明らかにされた。詳細は「Nature Communications」2017年11月24日オンライン版に掲載された。

研究を主導した米国立画像生物医学・生物工学研究所(NIBIB)のXiaoyuan Chen氏は「使い捨てタイプのこのパッチは痛みもなく、血糖値を1週間程度コントロールできると期待される」と述べている。ただし、今回は2型糖尿病モデルマウスでの検証に過ぎず、ヒトでも同様の効果が望めるかどうかは明らかにされていないという。

Chen氏らの研究チームが開発したパッチは、100本以上の微小なマイクロ針と血糖値を感知する化学物質を備えており、血糖値の上昇を感知するとインスリンの産生を促す薬剤「exendin-4」を血糖値が正常化するまで放出する。exendin-4はGLP-1受容体作動薬の一つで、このクラスの薬剤にはエキセナチド〔商品名:バイエッタ(1日2回皮下注)、ビデュリオン(週1回皮下注)〕のほか、デュラグルチド(同:トルリシティ、週1回皮下注)、リラグルチド(同:ビクトーザ、1日1回皮下注)がある。

研究チームは今回、1週間分のexendin-4を搭載した半インチ四方(約1.27cm四方)のパッチを糖尿病モデルマウスの皮膚に貼り付けて観察した。その結果、血糖値に応じてexendin-4が放出され、長期的に作動し、安全性も高いことが分かった。

ただし、一部のマウスにはパッチの装着部位に炎症が認められた。GLP-1受容体作動薬の副作用として悪心や嘔吐が知られているが、研究チームはこのパッチのexendin-4 の放出速度は緩やかで、こうした副作用は生じないものと予測しているという。また、開発の次なるステップは「ヒトの皮膚に適した長い針を備えたパッチを作製することだ」とChen氏は説明している。

専門家の一人、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「パッチのアイデアは良いが、薬剤はexendin-4ではなくインスリンの方が望ましいかもしれない。実用化すれば有望な治療法になる可能性があるが、ヒトに応用し、米食品医薬品局(FDA)の承認を得るまでには長い時間を要するだろう」と述べている。また、GLP-1受容体作動薬については経口薬の臨床試験が進行中であり、その結果も待たれるという。(HealthDay New 2018年1月4日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/diabetes-drug-news-179/goodbye-needles-patch-might-be-the-future-for-blood-sugar-tracking-729840.html

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