1-1 HDN2月8日「今日のニュース」No.2
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米国の鎮痛薬問題、市販薬でも

米国では医療用オピオイド系鎮痛薬の乱用が広がり、危機的な状況となっている。こうした中、同国ではオピオイドだけでなくイブプロフェンなどの市販されている鎮痛薬を過剰に使用している人も珍しくないことが米ボストン大学スローン疫学センターのDavid Kaufman氏らによる調査で明らかになった。調査結果は「Pharmacoepidemiology and Drug Safety」1月26日オンライン版に掲載された。

Kaufman氏らは今回、過去1カ月間に非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に分類される鎮痛薬のイブプロフェンの使用歴がある成人1,326人(平均年齢45歳)がNSAIDの市販薬の使用について記録した1週間分の日誌の内容を分析した。

その結果、日誌が記録された1週間に約87%がイブプロフェンを、約37%がアスピリンやナプロキセンといったイブプロフェン以外のNSAIDを使用していた。また、自分が使用している薬がNSAIDに分類される薬であることを認識していた人の割合は40%未満だった。

また、1週間に最大用量を超えてNSAIDを使用したことがある人の割合は15%(イブプロフェン11%、それ以外のNSAID4%)に達することも分かった。この中には1種類の薬を1日当たりの最大用量を超えて使用したり、2種類のNSAIDを同時に使用したり、決められた間隔を置かずに使用した人が含まれていた。こうした適正用量を守らない人の特徴を見ると、健康状態が悪い人や慢性疼痛を抱える人、適正用量に関する知識の乏しい人が多かった。

イブプロフェンをはじめとするNSAIDは米国で最も広く使用されている薬剤の一つで、医師の処方箋なしで使用できる市販薬を利用する人も多い。しかし、Kaufman氏によると、NSAIDは適正に使用しないと消化管出血や心筋梗塞などのリスク増大といった重い副作用をもたらす可能性があるという。

NSAIDを過剰に使用するのは依存性のあるオピオイドの使用を避けたいという意思が働いているからではないかとも考えられる。しかし、Kaufman氏は「オピオイド回避の意思は医師の処方には影響するが、一般消費者の行動には影響しない可能性が高い」と推測。その上で「NSAIDの適正用量を守っていない人たちは、単純に薬剤の添付文書を確認することなく自分の判断で多めに服用しているだけだと考えられる」との見解を示し、「このような行動は適切な教育によって是正が可能だ」と指摘している。

一方、今回の研究には関与していない米イェール大学予防研究センターのDavid Katz氏は、市販されている鎮痛薬の過剰使用がオピオイド問題と関連している可能性は否定できないとの見方を示す。同氏は「米国のオピオイド危機は慢性疼痛患者の管理が不十分であることも一因だ。NSAIDを適正に使用していない患者の多くは(オピオイドなどの)医療用麻薬を使用できずNSAIDに頼らざるを得ない状況にあるのではないか」と指摘。解決策として「健康リテラシーを向上させ、どの薬剤にもリスクがあるとの認識を広げる」ことを挙げている。さらに長期的な視点からは「薬剤以外の方法による慢性疼痛の管理を目指し、健康的な生活習慣に目を向けることも重要」としている。(HealthDay News 2018年1月30日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/nonsteroidal-anti-inflammatory-drugs-nsaids-news-768/opioids-aren-t-america-s-only-painkiller-problem-730619.html

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