2HDN糖尿病ニュース2月15日配信2
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慢性腎臓病患者の予後改善にICDは有効か?

心不全患者は慢性腎臓病(CKD)の合併頻度が高いが、これらを併存した患者に植え込み型除細動器(ICD)による非薬物治療を行っても生存率は改善しない可能性のあることが米カイザー・パーマネンテと米ワシントン大学の共同研究で報告された。この研究によると、ICDを植え込んだCKD患者では、ICDを使用しない患者と比べてむしろ心不全による入院率とあらゆる原因による入院率が高いことも分かった。詳細は「JAMA Internal Medicine」2月5日オンライン版に掲載された。

米国では成人人口の約14%がCKD患者と推定され、その死因の第一位を心不全が占めている。また、成人の心不全患者570万人のうち約3割はCKDを合併していると考えられている。ICDは心臓のリズムを常に監視し、心室頻拍や心室細動といった致死性の不整脈を感知すると心臓に電気ショックを与えて拍動を正常に戻す小型の医療機器。CKDの合併がない心不全患者を対象に行ったランダム化比較試験によると、ICDは左室駆出率(LVEF)が低下した心不全患者において不整脈リスクを低減することが報告されている。

しかし、CKDを合併した患者でもICDが予後を改善するかどうかは明らかにされていなかった。そこで研究グループは今回、CKDを合併した心不全患者を対象にICD植え込みの有用性を調べる観察研究を行った。

対象は、LVEFが40%未満に低下した心不全とCKDを合併した患者5,877人。このうち1,556人がICDを使用していた。対象患者の平均年齢は72.9歳、男性が約7割であった。解析の結果、CKD合併心不全患者においてICD使用の有無で死亡率に差はみられなかった(調整後ハザード比は0.96)。しかし、ICDを使用した患者群では、非使用の患者群と比べて心不全による入院リスクが1.49倍、あらゆる原因による入院リスクが1.25倍であることも分かった。

この結果について、論文の筆頭著者である同大学腎研究所のNisha Bansal氏は「非常に驚くべきものだった」とコメントしている。同氏は「成人の心不全患者にはCKDがよく認められ、心筋梗塞のリスクを高める要因にもなっている。しかし、今回の観察研究でCKD患者に対するICD植え込みによる総合的なベネフィットは確認できなかった」と述べている。

また、著者の一人、カイザー・パーマネンテのAlan Go氏は「ICDは高価で、他の合併症を引き起こす可能性もあるため、CKDを合併した高リスクの心不全患者に適用する場合には、最適なあり方について十分に理解しておくことが重要だ。今回の結果に基づくと、医師は患者にICDを勧める際にはそのリスクとベネフィットを慎重に検討する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2018年2月7日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/defibrillator-news-737/defibrillators-may-not-help-kidney-patients-with-bad-hearts-730854.html

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