Blur background : Patient waiting for see doctor at hospital ,abstract background.
image_print
医療・健康ニュース/ハイライト/

病院で薬剤耐性菌が多く潜んでいる場所とは?

病院の排水が薬剤耐性菌の発生に関係している可能性が、米国立衛生研究所(NIH)のグループによる研究で示された。研究では、集中治療室の下水道のパイプと病院排水の下水道につながるマンホールから排水を採取して調べた結果、そのほとんどで細菌に抗菌薬への耐性をもたらす環状のDNAであるプラスミドが認められたという。詳細は「mBio」2月6日号に掲載された。

この研究はNIH臨床センターのKaren Frank氏らが実施したもの。同氏らは今回、病院の排水のほか、カウンターの表面やドアノブ、パソコン、電話など人が触れる機会が多い場所からサンプルを採取し、遺伝子解析を実施した。その結果、下水道のパイプやマンホールから採取したサンプルのほとんどでカルバペネム系薬耐性遺伝子を複数の菌種に伝播させるプラスミドが陽性であることが分かった。カルバペネム系薬は多剤耐性菌に感染した患者に投与する「最後の手段」となる抗菌薬である。

一方、カルバペネム系薬耐性遺伝子を伝達するプラスミドの陽性率は、カウンターの表面やドアノブなどの人が接触する機会が多い場所から採取されたサンプル(計217サンプル)ではわずか1.4%で、シンクから採取されたサンプル(計340サンプル)でも3.2%だった。

近年、病院排水が細菌に薬剤耐性をもたらすプラスミドの「貯留場所」となることを支持するエビデンスが集積されつつあるが、研究グループは「この知見は、病院から出る排水に細菌の耐性獲得をもたらすプラスミドが溜まっていることをあらためて裏付けるもの」と説明している。

ただ、患者が触れる機会が多い院内の各所から採取されたサンプルでは、そのようなプラスミドの陽性率は低かったことから、Frank氏は米国微生物学会(ASM)のプレスリリースで「薬剤耐性菌の院内コントロールを目指した取り組みは成功していることが示唆されたともいえる」との見解を示している。さらに、同氏は「患者には感染しなくても、病院排水に大量のプラスミドが存在するという事実がどの程度重要なのかという新たな疑問も浮かび上がってきた」としている。

なお、一部の専門家は、病院排水にこうしたプラスミドがみられる要因の一つとして、病院で日常的に強力な抗菌薬が使用されていることを挙げている。(HealthDay News 2018年2月6日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/antibiotics-news-30/a-hidden-source-of-superbugs-in-hospitals-730760.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES