1-1 HDN2月26日「今日のニュース」No.2
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「信仰に反する医療行為は拒否も可」のトランプ案、支持者は少数

医療従事者が宗教上あるいは倫理的な理由から患者の治療を拒否する権利を守るとした米トランプ政権の計画に対し、多くの米国民は否定的であることが、18歳以上の男女約2,000人を対象としたオンライン調査から明らかになった。

トランプ政権は1月中旬、医療従事者の宗教的あるいは倫理的な権利を守るため、患者が要求する人工妊娠中絶などいくつかの医療行為を医療従事者が拒否することを認める新たな計画を発表した。その一環として、米国の保健福祉省(HHS)の公民権局に「良心と宗教の自由部門(Conscience and Religious Freedom Division)」が新設されることになった。これを機に、医療従事者が治療を拒否できる条件が、トランスジェンダーの患者に対する治療などにも広がる可能性が指摘されている。

そこでHealthDayは今回、調査会社のHarris Poll社に委託して米国在住の18歳以上の男女2,055人を対象とした意識調査を実施した(調査期間は1月26~30日)。その結果、10人中8人以上が医師や看護師などの医療従事者が「良心あるいは宗教上の教えに反する」という理由で治療を拒否することは認めるべきでないと回答。また、医療従事者が「患者の性的指向が信仰に反している」という理由で治療を拒否することに対しては69%、手術を拒否することに対しては59%が認めるべきではないと回答した。

また、トランプ政権は1月、「医療従事者が権利を侵害されたと感じた場合はHHSの公民権局に苦情を申し立てることができる」と発表したが、これを支持する人の割合は共和党支持者で22%、民主党支持者で8%にとどまった。

さらに、「患者の性的指向が信仰に反している」という理由で治療を拒否することを支持する人の割合は共和党支持者で23%、民主党支持者で9%、無党派層で10%だった。また、宗教上の理由で手術を拒否することを支持する人の割合はそれぞれ40%、14%、24%だった。

このほか、4人中1人が「医師がトランスジェンダーの患者に対する性別適合手術を拒否することは認められるべき」と回答し、5人中1人が「医師が避妊薬の処方を拒否することは認められるべき」と回答した。ただ、トランスジェンダーの人や人工妊娠中絶の経験者、同性愛者に対する治療を拒否することが認められるべきとした回答者の割合は、それぞれ14%、13%、12%と比較的低かった。

この調査結果を受け、ヘルスケア関連の消費者団体であるFamilies USA の理事を務めるFrederick Isasi氏は「米国の一般市民は、医療従事者の個人的な偏見を反映した医療行為を認めることの危険性について十分理解していることが分かった」と話す。

一方、米ハーバード大学医学部生命倫理学センターのRobert Truog氏は「この規則案は現実的な問題の解消よりも政治的な点数稼ぎに主眼を置いたものだ」と指摘。その上で「一般的に、医療従事者の個人の信条に反するために治療ができない場合でも、治療を引き受けてくれる他の医師に紹介するといったことは既に行われている」と説明している。

Isasi氏もこれに同意し、「医師の信仰が原因で、患者が望む治療が行えない状況はまれだ」と強調。また、「ジェンダーや生殖医療における選択肢、性的指向といったことは極めてセンシティブで個人的な問題だ。こうした問題を抱える患者にとっては小さな偏見が治療を受ける上での大きな障壁になりうる」と指摘し、トランプ政権の規則案が偏見を助長する可能性があると懸念を示している。(HealthDay News 2018年2月8日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/health-care-access-and-disparities-news-752/most-say-health-workers-shouldn-t-refuse-care-on-moral-grounds-poll-730894.html

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