1-1 HDN3月1日「今日のニュース」No.2
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心疾患患者へのクラリスロマイシン使用で注意喚起―米FDA

米食品医薬品局(FDA)は2月22日、「冠動脈疾患患者に抗菌薬のクラリスロマイシン(米国での商品名:Biaxin)を使用すると心臓に関連した問題や死亡の長期的なリスクが上昇する可能性がある」とする医薬品安全性情報を発出した。FDAは医師に対して「心臓に問題のある患者にクラリスロマイシンを処方する場合には、ベネフィットとリスクのバランスを慎重に考慮してほしい」と注意を促している。

今回の発表内容の根拠とされているのは、デンマークで実施された大規模ランダム化比較試験(RCT)であるCLARICOR試験の対象となった冠動脈疾患患者を試験終了後10年間追跡した研究結果だ。FDAは「同研究では、2週間のクラリスロマイシン治療を受けた群では、プラセボを投与された群と比べて追跡開始から1年以降に全死亡リスクが上昇するという予想外の結果が得られた」と説明。ただ、クラリスロマイシンがプラセボと比べて死亡リスクを高めた原因については「明確には分かっていない」としている。

CLARICOR試験の長期追跡データに基づき、FDAはクラリスロマイシンの使用で注意すべき事項に心疾患患者における死亡リスクの上昇を追加し、医師に対して心疾患患者には同薬以外の抗菌薬の処方を考慮するよう勧めている。また、同薬の添付文書にもこの長期追跡データが明記されるという。

FDAは、医師に対して(1)心疾患患者にはクラリスロマイシンあるいは同薬の代わりに処方する薬剤のリスクとベネフィットについて説明する(2)心疾患患者にクラリスロマイシンを処方する場合には心血管の問題の徴候や症状がどのようなものなのかについてあらかじめ伝えておく―ことを求めている。

また、心疾患患者に対しては(1)感染症の治療のために抗菌薬が処方される場合には、医師に心疾患があることを伝える(2)抗菌薬を使用中に胸痛や息切れ、痛みや脱力などが起こった場合にはすぐに受診する―ことなどを勧めるとともに、自己判断で心疾患の治療薬や抗菌薬の使用を中止しないよう呼び掛けている。

心臓病の専門医の一人で米スタテン・アイランド大学病院のMarcin Kowalski氏は「今回のFDAの警告には注意を払うべきだ。医療従事者や薬剤師は、薬剤相互作用に注意するとともに処方ミスを回避し、このようなリスクを抑えることが求められる」と強調する。

一方、米レノックス・ヒル病院の循環器医であるSatjit Bhusri氏は「(根拠とされている研究では)この特定の抗菌薬と心疾患に関連があることは示されているが、直接的な相関関係にあるわけではない。また、私はクラリスロマイシンに限らず全ての抗菌薬に共通してこうした関連があるのではないかとみている」と話す。その上で、同氏は「細菌感染に対する短期間の抗菌薬治療は、医師が必要と判断するならば開始すべきだ。現時点では抗菌薬による治療歴が心疾患のリスク因子であるとみなすべきではない」との見解を示している。(HealthDay News 2018年2月23日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-attack-management-and-prevention-news-365/fda-warns-heart-patients-about-antibiotic-clarithromycin-731397.html

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