1-2 HDN3月5日「ヘルスハイライト」No.2
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「きょうだい間のいじめ経験」で精神病性障害リスク上昇か

小児期にきょうだい間でのいじめを経験すると、その後、統合失調症などの精神病性障害を発症するリスクが高い可能性があることが、英ウォーリック大学心理学のSlava Dantchev氏らによる研究から明らかになった。12歳時にきょうだいをいじめた経験があった、あるいはきょうだいからいじめられた経験があった人は、きょうだい間でのいじめの経験がない人と比べて18歳までに精神病性障害を発症するリスクが2~3倍であることが示されたという。詳細は「Psychological Medicine」2月12日オンライン版に掲載された。

この研究の対象は、英国の親子を長期間にわたって追跡しているコホート研究(Avon Longitudinal Study of Parents and Children)に登録された小児6,988人。対象者は12歳時にいじめの経験について報告し、18歳時には精神病性障害の有無について聞き取り調査を受けていた。このうち12歳時にきょうだいからいじめられた経験があったのは664人、きょうだいをいじめた経験があったのは486人、いじめた経験もいじめられた経験もあったのは771人だった。

こうしたきょうだい間のいじめ経験と精神病性障害との関連について検討した結果、12歳時に1週間に数回の頻度できょうだいからいじめられていた経験があると、いじめられた経験がない場合と比べて18歳までに精神病性障害の診断基準を満たした状態となるリスクが2.74倍であることが分かった。また、きょうだいをいじめていた経験があった人でも同リスクは3.16倍に高まることも明らかになった。

さらに、12歳時にきょうだいだけでなく同級生からもいじめられていた経験があると、いじめられた経験がない場合と比べて精神病性障害のリスクが4.57倍に達することも示された。この結果について、Dantchev氏は「自宅だけでなく学校でもいじめを経験すると精神病性障害のリスクはさらに高まる。自宅だけでなく学校でもいじめられる子どもにとって、安全な場所はどこにもない」とコメントしている。

ただし、Dantchev氏は「今回の研究では他のメンタルヘルスに関連した因子や社会的因子などを考慮して解析したが、社会的な関係に問題があることは、重度の精神的な問題を生じさせる原因ではなく、初期徴候である可能性は否定できない」と説明している。

なお、研究責任者で同大学心理学教授のDieter Wolke氏によると、精神病性障害などの重度の精神的な問題をもたらしうる心的外傷として、きょうだい間のいじめ経験が注目されるようになったのはごく最近のことだという。

Wolke氏は「子どもが家庭という閉ざされた場できょうだいとともに過ごす時間はかなり長い。家庭でいじめられたり締め出されたりした経験は、その後の社会的挫折や自己非難、そして今回の研究で示されたような重度の精神障害をもたらす可能性がある」と説明している。

さらに同氏らは「きょうだい間のいじめは精神的な健康状態に長期的に影響する可能性があるため、親や医療従事者が何らかの方法でそうしたいじめを減らしたり、予防したりすることが重要だ」と強調している。(HealthDay News2018年2月16日)

https://consumer.healthday.com/kids-health-information-23/bullying-health-news-718/sibling-bullying-could-have-mental-health-effects-731097.html

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