1-2 HDN3月8日「ヘルスハイライト」No.2
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心臓デバイスがハッカーの標的に?

米国のテレビドラマシリーズ『Homeland』では、テロリストが米国の副大統領の心臓ペースメーカーをハッキングし、突然死を引き起こすというエピソードがあった。このようなことは現実に起こり得るのだろうか。米カンザス大学メディカルセンターのDhanunjaya Lakkireddy氏らは、「Journal of the American College of Cardiology」2月20日オンライン版に掲載された論文で、心臓に植え込まれた医療機器に対するサイバー攻撃の可能性は否定できないことを示唆している。

Lakkireddy氏は「われわれはハッカーよりも常に2~3歩先にいなくてはならない。植え込み型医療機器のハードウェアやソフトウェア、プログラミングの設計では安全対策も考慮する必要がある」と話す。ただし、実際にハッカーが植込み型除細動器(ICD)のプログラミングを改変するなどの行為によって患者を危険に陥れる可能性は極めて低く、「われわれが文献を調べ、医療機器業界の技術者やネットワーク担当者に聞き取り調査を行った結果、理論的にはハッキングが可能であることが分かったに過ぎない」としている。

現在使用されているICDの多くは医師によって無線でプログラミングされ、患者の心拍のデータをリアルタイムで医師に送信している。心拍に異常があればICDが電気ショックを与えて正常に戻す。しかし、ハッキングによって患者に不適切な電気ショックを与えたり、データの送信を妨害したり、電池を消耗させて機能に影響を与えたりすることは可能だとLakkireddy氏は説明する。

ただし、Lakkireddy氏によると、悪意あるハッカーが実際にこれらを実行するには多数の障壁があるという。例えば、標的とする人物が使用する機器の種類と周波数を把握し、再プログラミングに用いる専用ソフトウェアを入手し、怪しまれることなくその人に近づいて操作を行わなくてはならない。その一方で米国には患者の情報を保護する厳格な法律がある。こうしたことから、同氏は「実際にそのような(ハッキングによる)攻撃が実行される可能性は極めて低い」としている。

米ジョンズ・ホプキンズ大学のGordon Tomaselli氏は「患者に近づいてICDをハッキングし、再プログラミングすることは理論的には可能だ」としながらも、現時点で患者が心配する必要は全くないと強調。その一方で、同氏やLakkireddy氏は患者の安全を確保するために医療機器メーカーや医師に対して医療機器のサイバーセキュリティについて最新知識を身に付けておくことを勧めている。(HealthDay News 2018年2月20日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-pacemaker-news-368/could-hackers-target-heart-devices-731285.html

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