4HDN国内ニュース3月5日配信1

社会との関わりで糖尿病リスクが低減 中年期の日本人男女を分析、筑波大ほか

中年期の日本人男女では社会との関わりがあると糖尿病になりにくい可能性のあることが、筑波大学医学医療系准教授の柴山大賀氏らの検討で分かった。厚生労働省が行う中高年縦断調査データを分析したもので、糖尿病の予防戦略では食生活や運動、喫煙や飲酒習慣といった生活習慣の是正だけでなく、社会的なつながりを深くするような対策も必要になるという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」2月11日オンライン版に掲載された。

これまでの研究で、家族や友人、地域社会、職場といった社会との関わりがあると身体や精神の健康面に良い影響をもたらし、心血管病の予防や認知機能の低下が抑えられる可能性が示されている。柴山氏らは今回、社会との関わりと糖尿病の発症リスクとの関連に着目。8年間の全国的な縦断調査データを用いてこれらの関連を調べる研究を行った。

柴山氏らは、厚生労働省が実施する中高年縦断調査に2005~2013年に参加した50~59歳の男女3万1,615人(平均年齢54.6歳、女性が約53%)を対象に、社会との関わりと糖尿病の発症リスクとの関連について分析した。参加者には前年に医師による糖尿病の診断を受けたかどうかを毎年尋ね、診断されたと新たに回答した場合に糖尿病発症と判定した。また、社会との関わりの有無については、参加者に調査開始時点に社会的活動(地域の活動やボランティアなどへの参加)や友人との付き合い、同居人の有無、働いているかどうかなどについて尋ねて判定した。

調査開始時点に評価した19因子〔年齢や自己評価による健康度、高血圧や脂質異常症の有無、健康的な生活習慣(食生活や体重への配慮、歯磨き、健診受診など)〕で調整した解析の結果、社会との関わりは糖尿病の発症と逆の関連を示し、その効果サイズは生活習慣の是正と同程度かそれを上回ることが分かった。また、19因子のうち「同居人がいること」が最も糖尿病の予防に効果的であり(ハザード0.85、95%信頼区間0.82~0.89)、「社会的な活動への参加」(同0.89、0.87~0.92)と「毎年の健診受診」(同0.89、0.87~0.91)が続いたほか、「友人との付き合い」(同0.97、0.95~1.00)と「働いていること」(同0.94、0.92~0.96)も有意に糖尿病リスクを低減させることが分かった。

以上の結果を踏まえて、柴山氏らは「地域社会への参加や友人との付き合い、同居人がいること、働くことは糖尿病の発症リスクの低減と有意に関連し、これらの影響は生活習慣の是正と同程度か上回る可能性があることが分かった。社会との関わりを持つことで社会的な孤立による健康リスクを減らし、糖尿病予防につながる社会的なサポートを受ける機会が増えるといった利点が考えられる」と述べている。なお、この研究は厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)健康寿命及び地域格差の要因分析と健康増進対策の効果検証に関する研究(H28-循環器等-一般-009、研究代表者:同大学医学医療系教授の田宮菜奈子氏)によるものである。(HealthDay News 2018年3月5日)

Abstract/Full Text
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12820/full

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