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涙がパーキンソン病リスクを知る手がかりに?

将来、涙でパーキンソン病の発症リスクを評価できる日が来るかもしれない―。米南カリフォルニア大学医学部のMark Lew氏らが実施した研究から、パーキンソン病患者とパーキンソン病がない人で涙に含まれる特定のタンパク質の濃度に差があることが分かったという。同氏らは「涙が信頼性の高い非侵襲的かつ低費用で測定できるパーキンソン病の生物学的マーカーとなる可能性を示した初めての研究だ」としている。この研究結果は米国神経学会(AAN 2018、4月21~27日、米ロサンゼルス)での発表が予定されている。

パーキンソン病は神経変性疾患の一つで、手足のふるえ(振戦)や筋肉のこわばり(固縮)、動きの遅さ(無動)といった症状がみられる。ただ、早期の段階では症状が軽度であるため見過ごされる場合もある。

Lew氏によると、涙には神経の刺激によって涙腺の細胞から分泌されるさまざまなタンパク質が含まれている。また、パーキンソン病は脳の外側の神経の働きにも影響する。これらのことから、同氏らは神経の働きの変化が涙に含まれるタンパク質の濃度に反映するのではないかと考え、今回の研究を実施したという。

対象は、パーキンソン病患者55人とパーキンソン病ではない27人(対照群)。Lew氏らは、全ての対象者から涙の検体を採取して分析した。その結果、パーキンソン病患者群では対照群と比べてα-シヌクレインと呼ばれるタンパク質の濃度が低かった一方、パーキンソン病患者の神経損傷に関与している可能性が指摘されているα-シヌクレインの凝集体(オリゴマー)の濃度は高いことが分かった。

Lew氏は「涙のような簡単に採取できるものが、非侵襲的にパーキンソン病患者とそうでない人を区別するのに役立つ可能性があることが分かり、興奮している。パーキンソン病は症状が現れるまで何十年もかかる可能性があるため、こうした生物学的マーカーは早期診断、さらには早期治療にも役立つ可能性がある」と話す。ただし、涙に含まれるこれらのタンパク質の濃度を測定することで症状が発現する前にパーキンソン病を発見できるかどうかについては、より大規模な研究で検証する必要があるとしている。

なお、学会で発表される研究結果は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年2月22日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/parkinson-s-news-526/clues-to-parkinson-s-may-be-shed-in-tears-731328.html

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