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銃による負傷、全米ライフル協会の集会中は減少

銃規制をめぐる議論が白熱している米国で、興味深い調査結果が明らかになった。銃所持者の市民団体である全米ライフル協会(NRA)が主催する年次集会の会期中は、集会の前後に比べて銃による負傷者が20%減少することが分かったというのだ。その理由は明確には分からないが、調査を実施したグループは「熱心な銃の愛好家が集会に参加している間は銃を使用しなくなるからではないか」との見方を示している。この調査結果は「New England Journal of Medicine」3月1日号に掲載された。

この調査を実施したのは米ハーバード大学医学部准教授のAnupam Jena氏ら。Jena氏らは今回、2007~2015年の民間保険加入者のデータベースを用いて、NRAの年次集会の会期中とその前後3週間以内の同じ曜日に銃による負傷で救急外来を受診した患者の数を調べた。

その結果、NRAの年次集会の前後には銃による負傷で救急外来を受診した患者の割合は10万人当たり1.5人だったが、会期中には1.2人に減っていた。特に(1)男性(2)南部および西部の地域の住民(3)銃所持率が米国内で上位(最高三分位群)に入る州の住民(4)年次集会が開催された州の住民では集会の会期中に銃による負傷者が大幅に減少していた。

この調査結果は2月にフロリダ州パークランドの高校で銃乱射事件が起こり、銃規制に関する議論が過熱しているさなかに発表された。この事件を受け、規制の厳格化を求める声が高まっているが、トランプ大統領は教員を武装させる案の支持を表明している。

銃による負傷は訓練や経験の不足によるものだとする声もあるが、「今回の調査結果は熟練者であっても銃を所有している限り負傷のリスクがあるという事実を浮き彫りにするものだ」とJena氏は指摘している。

Jena氏によると、毎年NRAの集会には約8万人が参加するという。米国では銃所持者は数百万人に上ると推定されているため、集会の参加者はそのごく一部とみることもできる。しかし、同氏は「集会参加者の多くを銃のヘビーユーザーが占めている可能性が高い。また、射撃練習場などの運営者も参加者に含まれるものとみられる。運営者が集会に参加している間は練習場が休業し、銃の使用者がさらに減る可能性もある」と説明している。

この調査には関与していない米ジョンズ・ホプキンズ大学銃政策・研究センターのDaniel Webster氏は「銃に触る機会が最も多い人たちが銃に触らなくなれば、撃たれる人が減るのは当然」として、今回の調査結果を聞いても「驚きはなかった」と話している。なお、HealthDayはNRAに調査結果についてコメントを求めたが、回答は得られなかった。(HealthDay News 2018年2月28日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/gun-violence-976/u-s-gun-injuries-dip-during-nra-conventions-731522.html

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