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世界の平均寿命、延伸に陰り

世界の平均寿命は延び続けているが、以前と比べると延びが鈍化してきたことが米ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院教授のDavid Bishai氏らによる研究から明らかになった。その要因は不明だが、同氏らは「生物学的な寿命の上限に達したために延びなくなったわけではない」との見方を示している。この研究結果は「BMC Public Health」1月17日オンライン版に掲載された。

Bishai氏らは今回、世界139カ国の1950~2010年の平均寿命に関するデータを分析し、10年ごとの延伸年数を調べた。その結果、世界の平均寿命は1950年代(1950~1959年)には平均で9.7年延びていたが、2000年代(2000~2009年)には平均で1.9年の延伸にとどまっていた。

また、平均寿命が71歳以上の国では、平均寿命の延伸年数は1950年代の4.8年から2000年代には2.4年と半減していた。一方、平均寿命が51歳未満の国では、1950年代には7.4年延伸したものの2000年代には6.8年も短縮したことが分かった。

世界の平均寿命が以前のように延びなくなってきた原因は不明だが、本来であれば大幅に延伸する余地がある平均寿命の短い国でその傾向が強く認められたことから、同氏らは「生物学的な寿命の上限に達したことを意味しているわけではない」としている。

また、平均寿命の短い国で近年になって平均寿命が短縮した原因の一つとしてHIV・エイズの蔓延による影響が考えられるが、Bishai氏らは「それだけでは説明がつかない」と指摘。その理由として、HIV・エイズの流行が始まった1980年代よりも前からこうした地域で平均寿命が延びなくなってきていること、HIV感染がそれほど問題になっていない地域でも同様の傾向が認められることなどを挙げている。

Bishai氏は「平均寿命が延びない国々は脆弱な状況にある場合が多く、余命の延伸に向けた取り組みすら行われていない国も少なくない」と指摘。世界の公衆衛生における問題として捉え、政治的な意思の下で取り組む必要性を訴えている。(HealthDay News 2018年3月2日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/misc-aging-news-10/global-gains-in-life-expectancy-slow-to-a-creep-730617.html

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