1-2 HDN3月19日「ヘルスハイライト」No.1
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看護師が自らの心筋梗塞に対処、一命取り留める

オーストラリア西部の過疎地で勤務中に心筋梗塞の発作を起こした44歳の看護師の男性が、自らの処置で一命を取り留めたとの報告が「New England Journal of Medicine」3月8日号に掲載された。

オーストラリアの医療過疎地には看護師が限られた範囲内で診療を行う「ナーシングポスト」と呼ばれる医療機関がある。この男性は、ウェスタンオーストラリア州の州都であるパースから1,000km以上離れたコーラルベイという町のナーシングポストで勤務中に、胸痛とめまいを覚えたという。

その時、周囲に医療スタッフはいなかった。また、最も近い医療機関は150km離れていた。そこで、男性は自ら2回にわたって心電図検査を行い、救急遠隔医療サービスを介してそのデータを救急医にメールで送った。

これらの心電図データはST上昇型の下壁心筋梗塞を発症していることを示すものだった。男性は直ちに自身の静脈路を確保し、自分の命を守るために抗血小板薬や硝酸薬を服用し、抗凝固薬と鎮痛薬を静脈内投与した。Tenecteplaseを用いた血栓溶解療法はビデオ通話で指導を受けながら行った。さらに男性は自分の身体に除細動パッドを貼り付け、アドレナリンやアトロピンなども準備した。

その結果、閉塞していた冠動脈が開通し、心電図でSTの上昇が認められなくなり、症状も消失した。その後、救急隊員が到着し、男性はパース市内の循環器センターに小型飛行機で搬送され、ステント治療や薬物治療が行われた。そして搬送されてからわずか48時間後に必要な薬剤を処方され退院したという。

この症例について報告したサーチャールズ・ガードナー病院(オーストラリア)のFelicity Lee氏らは、「訓練を受けた医療従事者が必要に迫られて取った行動であり、このケースでは命を守るためにそれしか選択肢がなかった。しかし、他に選択肢があるのなら、自分で心筋梗塞に対処することは医学的には望ましくない」との見解を示している。

米国の専門家の一人でノースショア大学病院循環器科のCindy Grines氏もこれに同意し、「心疾患は専門医に診てもらう必要がある。ユーチューブの動画を見ながら自分で対処すべきではない」と強調。「胸が締め付けられるような痛みや冷や汗、喉や左腕、上腹部の痛み、呼吸困難、ふらつき、めまいなどの心筋梗塞が疑われる症状があれば、直ちに医療機関に連絡してほしい」としている。

米レノックス・ヒル病院の循環器医であるSatjit Bhusri氏も、今回のケースは応急処置に必要な物が揃った環境で起こった出来事であり、極めてまれな状況だったと指摘。「万が一この男性と同じ状況に陥ったら、あらゆる手段を駆使して助けを求めるべきだ」と話している。(HealthDay News 2018年3月7日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-attack-news-357/australian-nurse-treats-survives-his-own-heart-attack-731767.html

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