2HDN糖尿病ニュース3月22日配信1
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10代の肥満合併2型糖尿病患者には減量手術が有効?

重度肥満を合併した10歳代の2型糖尿病患者では、薬物治療や生活習慣の是正といった内科的治療よりも減量手術の方が減量や血糖コントロールの改善に有効な可能性のあることが、「JAMA Pediatrics」3月12日オンライン版に掲載された新しい小規模な研究で示された。

研究を行った米コロラド大学デンバー校のThomas Inge氏らによると、米国では10歳代で新たに2型糖尿病と診断される患者は毎年5,000人以上いると推定されており、こうした若年発症の糖尿病は成人発症のものよりも進行が速いことが知られているという。Inge氏は「ここ数十年の間に、小児肥満の増加に伴って2型糖尿病の有病率も大きく上昇している」と指摘している。

Inge氏らはまず、20歳未満の重度肥満(BMIが35以上)を合併した2型糖尿病患者を対象に減量手術を行ったTeen–Longitudinal Assessment of Bariatric Surgery(Teen-LABS)研究に参加した患者のうち30人のデータを解析した。対象患者は全て腹腔鏡下バイパス術またはスリーブ状胃切除術による減量手術を受けていた。

同氏らは次に、同じく重度肥満を合併した2型糖尿病患者を対象にメトホルミン単独またはチアゾリジン系薬のrosiglitazone(国内未承認)の併用あるいは生活習慣への強化介入を行う群にランダムに割り付けて比較検討したTreatment Options of Type 2 Diabetes in Adolescents and Youth(TODAY)研究に参加した患者のうち63人のデータを解析し、Teen-LABS研究の二次解析結果と比較した。

その結果、研究開始から2年後の平均HbA1c値は減量手術群では6.8%から5.5%に低下したのに対し、薬物治療や生活習慣の是正を行った群では6.4%から7.8%に上昇していた。また、対象患者のBMIは前者では平均で29%低下したが、後者では平均で3.7%上昇していることも分かった。さらに、減量手術を行った群では血圧や脂質の値、腎機能に改善がみられたが、薬物治療や生活習慣の是正を行った群ではこれらの改善は認められなかった。一方で、減量手術群の患者の4分の1は同期間に再手術を必要としていた。

若年2型糖尿病患者の薬物治療は成人患者に対するものよりも慎重さが必要とされ極めて難しいと考えられている。Inge氏らは、減量手術は成人を対象とした臨床研究や動物実験で単に胃のサイズを小さくするだけでなく、膵臓の機能を向上させ、代謝全般を改善させることが報告されており、血糖降下薬やインスリン注射のような薬物治療に伴うコンプライアンスの問題もないと、そのメリットを説明している。

また、減量手術後にはインスリン抵抗性も改善することが示されているが、これは小腸や膵臓、肝臓といった臓器間のシグナル伝達の向上によりもたらされるもので、薬物治療では同程度の効果は期待できないという。

今回の結果を踏まえて、Inge氏は「大規模な研究でこの結果を再現する必要があるが、成人だけでなく10歳代の若い肥満合併2型糖尿病患者でも減量手術により大きなベネフィットが得られると期待される」と述べている。

米ヴァンダービルト大学医療センターのWilliam Heerman氏は専門家の立場から、手術にはリスクが伴うものであり、思春期の患者が減量手術を受けた場合の長期的なリスクとベネフィットはまだ明らかにされていないとしつつも、「この結果は、10歳代で重度の肥満を持つ2型糖尿病患者に対して減量手術が選択肢の一つになり得る可能性を支持するものだ」とその意義について話している。(HealthDay News 2018年3月14日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/weight-loss-surgery-bariatric-1005/weight-loss-surgery-beats-meds-for-obese-diabetic-teens-study-731897.html

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