1-2 HDN3月22日「ヘルスハイライト」No.2
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「理髪店の薬剤師」が血圧管理に一役

散髪のために理髪店を訪れた高血圧患者に対して、理髪師が散髪するだけでなく薬剤師が血圧管理を行うことで、血圧が有意に低下することが米国で実施されたクラスター・ランダム化比較試験(RCT)から明らかになった。この研究結果は「New England Journal of Medicine」3月12日号に掲載された他、米国心臓病学会(ACC 2018、3月10~12日、オーランド)でも発表された。

この試験を実施したのは米シーダーズ・サイナイ病院心臓研究所副所長のRonald Victor氏ら。対象は、ロサンゼルス郡の黒人が店長を務める理髪店52店舗に通う収縮期血圧140mmHg以上の黒人男性319人(年齢は35~79歳)。このうち28店舗を薬剤師が血圧管理を行う群(介入群)、残る24店舗を薬剤師による介入を行わない対照群にランダムに割り付けた。

介入群では特別な訓練を受けた薬剤師が高血圧の黒人男性と理髪店で定期的に面談し、降圧薬を処方し、血圧を測定した。また、生活習慣の指導や血中の電解質などの監視を行い、プライマリケア医に進捗状況を報告した。一方、対照群では訓練を受けた理髪師が散髪に来た黒人男性に生活習慣の是正を促し、プライマリケア医の受診を勧めた。

その結果、6カ月後の収縮期血圧値は対照群で9.3mmHgの低下にとどまっていたのに対し、介入群では27.0mmHgもの低下が認められた。また、正常血圧の基準(収縮期血圧130mmHg/拡張期血圧80mmHg未満)を満たした男性の割合も、対照群の11.7%に対して介入群では63.6%に達していた。

Victor氏は「今回の試験では薬剤師が理髪店で医療ケアを提供したが、患者の受診を待つのではなく患者がいるところに出かけて医療ケアを提供するアプローチをとることで、適切に血圧を管理し、多くの人の命を救うことができる」と説明。また、特に黒人では高血圧の有病率が高いため、「(高血圧によってリスクが上昇する)脳卒中や心筋梗塞、心不全、そして早期死亡から黒人を守るための新たな方策が必要だ」と強調している。

また、今回の試験に参加した薬剤師のC. Adair Blyler氏は「病院や診療所ではなく、患者のいるところに出向いて接すると、患者により大きな信頼感や敬意を持ってもらえるようだ。実際、今回の試験で担当した患者たちとは、これまでの薬剤師としてのキャリアの中で経験したことのないレベルで厚い信頼関係を結ぶことができた」と語っている。(HealthDay News 2018年3月12日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/blood-pressure-news-70/barbershop-pharmacists-a-good-rx-for-high-blood-pressure-731841.html

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