Airplane cabin aisle with rear view and seats
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飛行機の機内で感染リスクが高い座席は?

飛行機の機内で呼吸器感染症患者から感染するリスクは、患者の座席の前後1列および左右2座席以内が最も高く、それ以上離れた席であればリスクは極めて低いことが、米エモリー大学のVicki Stover Hertzberg氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Proceedings of the National Academy of Sciences」3月19日オンライン版に掲載された。

この研究は、Hertzberg氏らが航空機メーカーのボーイング社の資金提供を受けて実施したもの。飛行機の乗客に呼吸器感染症の患者がいた場合、周囲の乗客に飛沫感染するリスクがどの程度あるのかについて検討した。

研究では、Hertzberg氏らが米国の国内線のフライトに10回にわたって乗り込み、エコノミークラスで乗客の行動や移動を記録した。次に、このデータに基づきフライト中の機内での感染症の伝播をシミュレーションした。

その結果、呼吸器感染症の患者の座席の前後1列および左右2座席以内に座っている乗客では、患者から感染する確率が80%に及ぶことが分かった。一方、それ以上離れた座席の乗客が感染する確率は3%に満たないことが明らかになった。

また、10回のフライト中に機内の空気や座席に備え付けられたトレイテーブル、トイレのドアノブなどの表面からサンプルを採取し、遺伝子検査を実施した。その結果、このうち8回のフライトはインフルエンザ・シーズン中であったにもかかわらず、インフルエンザウイルスやライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスといった呼吸器感染症の原因となる18種類のウイルスの全てが陰性だった。

さらに、今回の研究では感染症の乗務員がいた場合には、1回のフライトで約5人の乗客に感染する可能性があることも分かったという。

なお、Hertzberg氏らは「今回の研究では嘔吐など飛沫感染以外の感染ルートは考慮していない」と付け加えている。

感染症の専門家である米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターのMarc Siegel氏は、この研究結果について「航空機のエアフィルターに95%程度の効果があることは分かっていたが、今回あらためてそれを確認できた。飛行機に乗っただけで病気になる可能性は低いということだ」とコメントしている。

また、研究を率いたHertzberg氏は「もし自分の体調が悪く、咳やくしゃみが出そうな時には、下を向いて肘で口を隠すなどエチケットを守ってほしい」と助言。さらにSiegel氏は、飛行機に乗る際には感染から身を守るために鼻の粘膜が乾燥しないよう十分に水分を補給することを勧めている。

また、米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院のSunil Sood氏はマスクを用意しておくことを推奨。「私もマスクを持ち歩き、もし周囲に咳をしている人がいたらマスクをすることにしている」と話している。(HealthDay News 2018年3月19日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/when-is-a-sick-fellow-flier-a-health-risk-to-you-732100.html

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