1 HDN4月2日「パッケージニュース」No.1
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職場の騒音、血圧や脂質にも悪影響か

職場の騒音は難聴の原因になるだけでなく、血圧値や脂質値を上昇させる可能性があることが米疾病対策センター(CDC)傘下の米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)のグループによる研究から明らかになった。研究では、米国の労働者の4人に1人に当たる4100万人に職場で過度の騒音に曝露した経験があることも分かった。この研究結果は「American Journal of Industrial Medicine」3月14日オンライン版に掲載された。

同グループは今回、2014年の米国民健康聞き取り調査(National Health Interview Survey)のデータを用いて職場での騒音曝露と難聴、血圧値や脂質値など心血管疾患リスクの指標との関連について検討した。その結果、全労働者の25%に職場で過度の騒音に曝露した経験があり、14%には過去1年以内にそうした経験があることが分かった。

また、労働者の12%に難聴、24%に高血圧、28%に脂質異常症があることも明らかになった。さらに、難聴の58%、高血圧の14%、脂質異常症の9%は職場での騒音曝露に起因している可能性が示された。なお、労働者が騒音に曝露する確率が特に高い業種は鉱業(61%)、建設業(51%)、製造業(47%)だった。

NIOSH所長のJohn Howard氏は、この研究結果を踏まえ「難聴の予防には職場の騒音レベルを抑えることが重要だが、それによって血圧値や脂質値も改善できるかもしれない」と話す。その上で、「職場の健康プログラムで高血圧や脂質異常症の検診を実施する際には、騒音下で仕事に従事している労働者を必ず対象者に加えるべきだ」と主張している。

また、研究論文の著者の一人でNIOSHのElizabeth Masterson氏は「かなりの割合の労働者に職場での騒音が原因とみられる難聴や高血圧、脂質異常症があることが分かった」とした上で、「もし職場の騒音を安全なレベルに抑えることができれば、500万人以上を難聴から守ることも可能かもしれない」と強調。さらに、「この研究によって職場での騒音曝露と高血圧や脂質異常症との関連を支持するエビデンスがさらに蓄積された」として、職場の騒音の低減がこれらの心血管リスク因子の予防にも役立つ可能性があるとの見解を示している。

一方、専門家の一人で米レノックス・ヒル病院の救急治療専門医であるRobert Glatter氏は、「騒音のある職場環境は、高血圧や脂質異常症のリスクとして軽視されている」と指摘。その上で、「さまざまな症状で救急治療室を受診した患者に対し、高血圧や脂質異常症のリスク上昇に関連する職業に従事しているかどうかを確認することで、予後を改善できるかもしれない」と話している。

ただし、今回の研究は職場の騒音と高血圧、脂質異常症との関連を示したものに過ぎず、因果関係を証明したものではない。(HealthDay News 2018年3月22日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/occupational-health-news-507/noisy-workplace-may-wreak-havoc-on-your-heart-732208.html

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