1 HDN4月5日「パッケージニュース」No.3
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世界の抗菌薬使用量、2000年から4割増

抗菌薬が効かない薬剤耐性菌の拡大が、世界中の人々の健康に対する脅威となっている。その主な原因として、抗菌薬の過剰処方の問題が指摘されている。こうした中、この16年間に世界で人口1,000人当たりの抗菌薬の使用量が39%増加したことが、米疾病動態経済政策センター(CDDEP)のEili Klein氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」3月26日オンライン版に掲載された

この研究は、Klein氏が米プリンストン大学やスイス連邦工科大学チューリッヒ校(スイス)、アントワープ大学(ベルギー)などの研究者らとともに実施したもの。76カ国の2000~2015年の抗菌薬使用量に関するデータを分析した。

その結果、同期間に全体的な抗菌薬使用量は65%増加し、人口1,000人当たりの抗菌薬使用量も39%増加していた。また、低中所得国ではいずれも大幅に増加しており、全体的な抗菌薬使用量は114%、人口1,000人当たりの抗菌薬使用量は77%増加していた。これに対し、高所得国では全体的な抗菌薬の使用量は6%増加していたが、人口1,000人当たりの抗菌薬使用量は4%減少していた。

薬剤耐性の最大の要因は抗菌薬の不適正な使用例が増加したことだと考えられている。例えば、抗菌薬が効くのは細菌感染による疾患だが、ウイルスが原因の風邪に対しても抗菌薬が処方されることは珍しくない。この問題について、Klein氏は「有効な対策が望まれる」とした上で、「今回の研究から薬剤耐性に対する有効な対策を講じる上で必要となるデータを得ることができた」と話す。

ただし、Klein氏らは「全体的な抗菌薬の使用量や、不適正な使用例を減らすことは重要だが、感染症の罹患率が高い低所得国では必要な時に抗菌薬が使用できるよう、抗菌薬へのアクセスを改善する必要もある」と指摘。抗菌薬使用の適正化と同時に、必要とする全ての人が抗菌薬を使用できるようにすべきだと強調している。

また、研究論文の共著者でCDDEP所長のRamanan Laxminarayan氏は「国連総会で薬剤耐性菌の問題が世界的な脅威であるとの認識が確認されてから1年以上が経過するが、その後の取り組みは進んでいない」と指摘。「抗菌薬の有効性を維持するためには、直ちに、断固たる態度で、包括的に取り組む必要がある。これには、特に低中所得国におけるワクチン接種の推進やインフラの整備など、抗菌薬の使用の低減につながる対策が含まれる」と話している。一方、新たな抗菌薬の開発を求める声もあるが、これについて同氏は「新薬が導入されても、適正に使用されなければまた薬剤耐性が生じることになるため、問題を解決することにはならない」との見解を示している。(HealthDay News 2018年3月27日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/antibiotics-news-30/global-antibiotic-use-soars-as-resistance-fears-rise-732245.html

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