4HDN国内ニュース4月16日配信1

妊娠糖尿病女性における糖尿病発症の予測因子とは? 千葉大の研究グループ

妊娠糖尿病(GDM)の女性では、診断時に受けた75g経口糖負荷後2時間の血糖値とHbA1c値が高値を示し、周産期に合併症を来すと産後2年以内に2型糖尿病や耐糖能異常(IGT)を発症するリスクが高まる可能性のあることが、千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学の井上宏美氏と石川耕氏らの研究グループの検討で分かった。これらの予測因子を用いて高リスクと判定されたGDM女性は、産後も血糖値を注意深く観察する必要があるという。詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」5月号に掲載される。

GDMの既往がある女性は産後に糖尿病を発症しやすく、産後は血糖値の推移を観察する必要があるとされる。しかし、こうした女性における糖尿病発症の予測因子は十分に明らかにされていない。研究グループは今回、GDMの既往があり、出産した女性を対象に後ろ向きに追跡し、産後2年以内にIGTまたは糖尿病の発症を予測するリスク因子について調べ、産後の耐糖能障害(IGTまたは糖尿病)を予測する血糖値とHbA1cのカットオフ値についても検討した。

対象は、同大学病院で出産した女性のうちGDMと診断され、産後2年間追跡し得た女性77人(診断時の平均年齢は34.33±4.88歳)。産後3カ月以内および2年後に75g経口糖負荷試験を行い、糖負荷後2時間の血糖値が200mg/dLを超える場合を糖尿病、空腹時血糖値が126mg/dL未満および75g経口糖負荷後2時間血糖値が140~200mg/dLの場合をIGTと判定した。なお、同大学病院では妊娠10~14週と妊娠24~28週にGDMのスクリーニングを実施しているという。

その結果、2年後には対象女性のうち、それぞれ17人が糖尿病またはIGTと診断され、44.1%が産後に耐糖能障害を来していた。多変量ロジスティック回帰分析の結果、産後の耐糖能障害のリスク因子として診断時の75g経口糖負荷後2時間血糖値が高値、および診断時のHbA1c高値、周産期の合併症の3つの因子が浮かび上がった。

また、診断時の75g経口糖負荷後2時間血糖値とHbA1c値を用いて、産後の耐糖能障害を予測するROC曲線を描いたところ、それぞれのカットオフ値は155mg/dL〔曲線下面積(AUC)0.78、感度88.6%、特異度57.5%〕、5.3%(同0.62、61.5%、91.2%)であることが分かった。診断時にこれらの値が同時にカットオフ値を超えていた女性のうち53.8%は2型糖尿病を、38.5%はIGTを産後2年以内に発症していた。

以上の結果を踏まえて、研究グループは「GDMの既往がある女性では、GDM診断時の75g経口糖負荷後2時間血糖値とHbA1c値が高値を示すことと周産期の合併症が、産後2年以内の2型糖尿病の発症を予測する因子である可能性がある。75g経口糖負荷後2時間血糖値とHbA1c値が高いGDM患者は、少なくとも産後2年間は慎重に耐糖能障害の出現を観察する必要がある。これらの測定値が高いことは、出産から2年後のインスリン分泌の低下やインスリン抵抗性と関連する可能性も考えられる」と述べている。(HealthDay News 2018年4月16日)

Abstract/Full Text
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168822717311403

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