結婚指輪をした男女の手
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いとこ婚の子ども、成人後の精神疾患リスク2~3倍に?

いとこ同士の両親から生まれた子どもは、成人後にうつ病などの気分障害や精神病性障害を発症するリスクが高い可能性があることが、クイーンズ大学(英領北アイルランド)ベルファスト公衆衛生センターのAideen Maguire氏らによる研究から明らかになった。この研究では、いとこ婚カップルから生まれた子どもでは、成人後に抗うつ薬や抗不安薬などの薬剤を処方される確率が血縁関係にないカップルから生まれた子どもの3倍以上で、抗精神病薬を処方される確率も2倍以上であることが分かったという。詳細は「JAMA Psychiatry」4月4日オンライン版に掲載された。

いとこ同士あるいははとこ同士など血縁関係にある男女のカップルから生まれた子どもは珍しい存在ではない。現在、世界の子どもの約10%を、はとこよりも近い関係の近親婚カップルから生まれた子どもが占めている。その多くはアジア地域や東アフリカ地域の子どもで、西欧では近親婚カップルから生まれた子どもの割合は1%未満と推定されている。一方、米国や北朝鮮、中国では近親婚は認められていない。

これまで、いとこ婚などの近親婚カップルから生まれた子どもは先天異常や早期死亡、成人後の心血管疾患やアルツハイマー病などのリスクが高いことが報告されていたが、精神疾患リスクについて検討した研究は少なかったという。そこでMaguire氏らは今回、北アイルランドの小児保健システムや医薬品処方などのデータを用いて、近親婚とその子どもの成人後の気分障害および精神病性障害とのリスクとの関連について検討した。

対象は、1971年1月~1986年12月に北アイルランドで出生した36万3,960人(52.5%が男性)。成人後の5年間(2010~2014年)に抗うつ薬または抗不安薬を1回以上処方されていた場合を気分障害の発症、抗精神病薬を1回以上処方されていた場合を精神病性障害の発症と推定した。対象者の0.2%(609人)が近親婚カップルの子どもで、このうち349人ははとこ婚、260人はいとこ婚のカップルから生まれていた。成人後に抗うつ薬または抗不安薬を処方された経験があるのは、はとこ婚カップルの子どもで約31.2%、いとこ婚カップルの子どもで35.8%、血縁関係にないカップルの子どもで26.0%だった。また、成人後に抗精神病薬を処方された経験があるのは、それぞれ4.3%、8.5%、2.7%だった。

多変量ロジスティック回帰モデルを用いて精神疾患の発症に影響するさまざまな因子を調整して解析した結果、いとこ婚カップルの子どもでは、血縁関係にないカップルの子どもと比べて成人後に抗うつ薬または抗不安薬を処方される確率は3.01倍、抗精神病薬を処方される確率は2.13倍だった。

以上を踏まえ、Maguire氏は「近親婚のカップルは、近親婚による生殖に関連した健康上のリスクについて、カウンセリングを受けるべきだ」と助言している。

一方、この研究結果について米国精神医学会(APA)事務局長で米コロンビア大学メディカルセンター精神医学教授のPhilip Muskin氏は「慎重に解釈する必要がある」と強調し、「この研究は因果関係を証明したものではなく、両親の健康状態などの背景要因のデータも不明だ。また、医薬品の処方データだけで疾患があったかどうかは判断しにくい」と指摘している。その上で、「近親者カップルから生まれた子どもに異常が生じうることは、はるか昔から知られていた。この研究は、そのことをデータで裏付けるものだ」との見解を示している。(HealthDay News 2018年4月4日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/genetic-disorder-news-332/here-s-another-reason-to-not-marry-your-cousin-732647.html

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