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片頭痛予防に携帯型TMS装置が有効か

患者が自宅で使用できる携帯型の単一パルス経頭蓋磁気刺激(sTMS)装置(商品名SpringTMS)が片頭痛の予防に有効であることを示した研究結果が「Cephalalgia」3月4日オンライン版に掲載された。この装置は既に米国で前兆のある片頭痛の治療を目的とした使用が承認されているが、この結果を受け2017年9月に片頭痛の予防にも適応が拡大されている。

これまでにTMS治療は神経疾患や精神疾患の治療や診断で広く使用されてきたが、SpringTMSは2014年5月、米国で初めて片頭痛の治療を目的としたTMS装置として米食品医薬品局(FDA)により承認された。その大きさは8cm×23cm、重さは1.4kgほどで、患者自身による操作が想定されている。発作時に装置を後頭部に当て、ボタンを押すと磁気パルスが発生するという。

当初、SpringTMSは前兆のある片頭痛の治療を目的とした使用が承認されていたが、2017年9月には前兆の有無にかかわらず片頭痛の予防にも適応が拡大された。その根拠とされているのが、今回論文が発表されたESPOUSE Studyの成績だ。この研究は、米メイヨークリニック神経学のAmaal Starling氏らがSpringTMSを製造・販売するeNeura社の資金提供を受けて実施した。

対象は、2014年12月~2017年3月に頭痛専門クリニックで登録された18~65歳の片頭痛患者263人で、前兆のある患者とない患者が含まれていた。対象者は頭痛日誌を1カ月間付け、自宅でSpringTMSを操作できるよう指導を受けた上で3カ月間、この装置を使用した。

同研究では対象者に片頭痛予防のため午前中と夜間に4回ずつSpringTMSを使用し、1分未満の磁気刺激を与えるよう指示した。また、頭痛発作中には磁気刺激を3回与える治療を15分の間隔を空けて最大で3回行うよう指示した。

その結果、研究開始から3カ月後、片頭痛のタイプにかかわらず頭痛発作がみられた日数が1カ月当たり平均で約3日減少した、また、頭痛の頻度が半減した対象者の割合は46%を占めていた。

Starling氏によると、片頭痛患者の脳は過剰に興奮した状態となっており、この興奮を抑えれば頭痛発作を予防できると考えられている。今回の研究で有効性が示されたTMS装置は、磁気エネルギーを用いて神経細胞の電気的環境を変化させ、脳の興奮を抑制するという。「この研究では、SpringTMSの使用によって片頭痛患者の頭痛発作の頻度だけでなく、片頭痛治療薬の使用量も減量でき、忍容性も良好だった」と同氏は説明する。

米国では片頭痛の患者数は3800万人と推定され、男性よりも女性の方が多く、女性の有病率は男性の3倍であることが報告されている。根治療法はなく、抗てんかん薬や抗うつ薬、降圧薬のほかボツリヌス毒素の注射やストレスマネジメント、リラクゼーション法や運動が症状の軽減に役立つ場合がある。

Starling氏の共同研究者の一人で米アルバートアインシュタイン医科大学神経学のRichard Lipton氏は、「この研究は片頭痛に苦しむ患者に新たな治療選択肢を提供することを最終的な目標に掲げ実施したものだ」とした上で、「薬物治療を受けたくない患者や、薬物治療が奏効しないか副作用が問題になる患者にとって、TMS装置を用いた治療は重要な選択肢となるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年4月5日)

https://consumer.healthday.com/head-and-neck-information-17/headaches-health-news-345/magnetic-pulse-device-may-be-new-way-to-prevent-migraines-732606.html

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