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COPDリスクを高める「小児期の経験」

喫煙によって発症リスクが高まることで知られる慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、中高年層で発症しやすいため「成人の疾患」とみられがちだ。しかし、COPDの発症には小児期の喘息や受動喫煙などの経験が影響している可能性があることが、2件の研究で示唆された。これらの研究論文は「The Lancet Respiratory Medicine」4月5日オンライン版に掲載された。

1件目の研究は、メルボルン大学(オーストラリア)アレルギー・呼吸器医療ユニットのShyamali Dharmage氏らが実施したもの。タスマニア州(オーストラリア)の地域住民を長期にわたって追跡調査した前向き研究(Tasmanian Longitudinal Health Study;TAHS)のデータを用いて小児期のさまざまな因子と後のCOPDリスクとの関連について検討した。

対象は7歳、13歳、18歳、45歳、50歳、53歳の時点で肺機能検査を受けた男女2,438人。7歳から35歳までの肺機能の変化を6パターンに分類して解析した結果、肺機能が平均レベルの場合と比べて(1)小児期から中年期にかけて一貫して低い(2)小児期には平均レベルをわずかに下回る程度だったが成人後に一気に低下(3)小児期から中年期にかけて一貫して平均レベルをわずかに下回る―の3つのパターンがCOPDリスクに関連していた。

また、53歳までに発症したCOPDの4分の3を、こうした3つのパターンで示される小児期からの肺機能低下で説明できることが分かった。さらに、これら3つのパターンには小児期の喘息や気管支炎、肺炎、アレルギー性鼻炎、湿疹、親の喘息、受動喫煙のほか、本人の喫煙や成人期の喘息といったリスク因子が関与していることも明らかになった。

COPDの主要なリスク因子は喫煙だが、この研究では小児期のさまざまな因子も後のCOPDリスクを高めることが示唆された。この結果を踏まえ、Dharmage氏は「The Lancet」のプレスリリースで「COPDリスクを抑えるためには親の禁煙やワクチン接種の奨励、本人の禁煙が重要だ」との見解を示している。

一方、英ブリストル大学のJohn Henderson氏らが2,632人の肺機能を出生時から24歳まで追跡した2件目の研究では、生後1~6カ月時に肺機能の低下が認められた乳児の約4分の3は、小児期に肺機能が大きく改善していたことが分かった。このことから小児期は肺機能を向上させる絶好のタイミングであり、成人後のCOPDリスクの低減にもつながる可能性があるとして、同氏らは「幼少期に最大限の肺の成長を促すための介入を行えば、成人後のCOPDリスクを抑えることができるかもしれない」との見解を示している。

COPDは慢性かつ進行性の呼吸器疾患で、治癒することはほとんどない。米国肺協会(ALA)によると、米国ではCOPDの患者数は1100万人を超え、死因の第3位となっている。

米レノックス・ヒル病院のAnn Tilley氏は「今回報告された2件の研究から、成人の肺疾患リスクに小児期の因子が重要な影響を与えている可能性が示された。子どもを受動喫煙から守り、小児喘息の子どもには確実に最善の治療を受けさせることが、子どもの肺の健康を生涯にわたって良好に保つために親ができることだといえそうだ」と話している。(HealthDay News 2018年4月6日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/copd-966/copd-is-an-adult-killer-but-its-origins-may-lie-in-childhood-732645.html

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