1HDN5月17日「パッケージニュース」No. 2

車中泊で肺塞栓による突然死も―熊本地震の避難者

日本で2016年4月に発生した熊本地震では、多くの被災者が避難を余儀なくされ、車中泊をする人も多くみられた。今回新たな研究で、車中で長時間を過ごした人は、脚を動かさずに座り続けることにより下肢の静脈にできた血栓が肺の静脈を詰まらせて肺塞栓を引き起こし、突然死するリスクがあることが報告された。この研究は「Canadian Journal of Cardiology」3月3日オンライン版に掲載された。

座った姿勢のままで長時間を過ごすと血栓リスクが上昇することは、以前からよく知られている。長時間のフライトで座りっぱなしの状態が続くと肺塞栓症が生じることがあるため「エコノミークラス症候群」とも呼ばれている。

熊本地震では夜間の余震が多発したため、多くの人は自宅に戻ることを恐れて避難することを選んだ。公共の避難所に行く人もいたが、自家用車の中で一夜を過ごす人も多かった。そこで、熊本地震血栓塞栓症予防(KEEP)プロジェクトの研究者らは、車中泊が健康に与える影響を調べるため、同県内の医療機関21施設を対象にアンケート調査を実施した。

その結果、避難した人々の間で下肢の血栓発症が「流行」していたことが明らかになった。この調査によれば、51人の避難者が静脈血栓塞栓症(VTE)で入院し、このうち42人(82.4%)が車中泊をしていた。また、35人は肺塞栓症を合併していた。

研究者らは、この知見はVTEのリスクと予防法についてもっと周知する必要があることを示すものだと指摘する。研究の代表者である熊本大学の掃本誠治客員教授は「車中泊によるVTEリスクについて専門の医療チームが啓発活動を行い、メディアが血栓のリスクについて大きく報道することで避難所の知識が広まれば、VTEによる犠牲者を減らせる可能性がある」と述べている。

同誌の編集長のStanley Nattel氏は「これは窮屈な姿勢で動かずに長時間過ごすリスクをまざまざと示した実例である」と述べ、今回の報告は「飛行機に乗る際や車中で長時間過ごすことを余儀なくされる場合は、定期的に立ち上がって歩き回らなければならないことを再認識させてくれた」と話している。(HealthDay News 2018年5月3日)

https://consumer.healthday.com/circulatory-system-information-7/deep-vein-thrombosis-news-736/further-signs-that-too-much-sitting-can-raise-clot-risk-733511.html

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