2HDN糖尿病ニュース5月24日配信2
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脳卒中の警告サイン「F.A.S.T.」で確認、直ちに受診を-米国脳卒中協会

米国人の5大死因の一つに挙げられる脳卒中は、その約8割が高血圧や喫煙などのリスク因子の是正や生活習慣の改善などで予防できるにもかかわらず、そうした知識は一般には広く浸透していない。米国脳卒中協会(ASA)は毎年5月を「脳卒中月間(American Stroke Month)」と定めており、脳卒中予防のための合い言葉「F.A.S.T」を掲げ、一般の人々を対象に脳卒中の理解を深めるための啓発活動を行っている。

ASAの理事で米コロンビア大学神経疫学教授のMitchell Elkind氏は「特に、米国のような多文化社会においては、脳卒中を減らすことは公衆衛生上、重要な課題である。若年者を中心に、脳卒中の知識を広める啓発活動を積極的に行っていく必要がある」と述べている。

そこで、ASAは、覚えておきたい脳卒中の基礎知識を協会のホームページで紹介している。脳卒中は脳の血管が詰まる脳梗塞と血管が破れる脳出血に大きく分けられる。脳卒中の4分の3以上を脳梗塞が占めており、この中には、脳梗塞の前触れとされる一過性脳虚血発作(TIA)も含まれる。TIAは脳梗塞の症状が突然、一過性に現れて24時間以内に改善するもので、「ミニ脳卒中」とも呼ばれる。

また、脳梗塞で脳の血管が詰まると、脳の神経細胞に十分な血液が流れなくなることで多くの障害が引き起こされる。脳梗塞を発症し適切な治療を施さないと1時間に1億2000万個の神経細胞が失われるほか、正常な脳と比べて脳の老化速度が速まるとする研究報告もあるが、治療をより早期に受けることで回復するチャンスは高まるとされている。

さらに、脳卒中の6割以上は発症時に居合わせた人(バイスタンダー)が発見したとされるが、脳卒中が疑われる危険な症状について十分に知っている米国人は半数に満たないのが実情だ。

ASAは脳卒中の警告サインを簡単に覚える合い言葉に「F.A.S.T」を掲げ、脳卒中が疑われたら、「Face:顔の麻痺(顔がゆがんだりする)」「Arm:腕の麻痺(腕に力が入らず、だらりと下がったままになる)」「Speech:言葉が出ない、ろれつが回らない」の3つの症状の有無と「Time:発症時刻」を確認するよう呼び掛けている。ASAはプレスリリースで、「誰もが脳卒中になる可能性があり、その準備をしておく必要がある。F.A.S.Tを知っていれば、脳卒中になっても命を守れるかもしれない」と記している。なお、顔や手足のしびれ、片方の目が見えなくなる、経験したことのない激しい頭痛、ふらふらして歩けなくなるといった症状もみられるという。

では、脳卒中が疑われたら、どう対処すべきか? ASAは「脳卒中が疑われたら、直ちに救急車を呼んで専門病院を受診する」ことが先決で、たとえ症状が軽くても、患者本人や家族が車を運転して病院に行くことは危険な上、時間のロスにつながるので止めるように強く勧めている。

また、脳卒中の生存者は4人に1人で再発がみられるが、その際に患者が受ける身体的ダメージは初発時をはるかに上回るため、治療に成功しても油断せず、再発予防に努める必要がある。脳卒中の最も重要なリスク因子は高血圧であり(米国成人の半数近くが高血圧患者と推定されている)、その他にも肥満や糖尿病、脂質異常症、喫煙、脳卒中の家族歴などが挙げられる。

米国では毎年13万3,000人が脳卒中で亡くなっている。近年は30歳代から40歳代の若年者で脳卒中の発症率には上昇傾向がみられている。また、「脳卒中ベルト地帯」と名付けられたフロリダ州など南東部の11州の住民の脳卒中発症率は、一般集団に比べて34%高いとされている。(HealthDay News 2018年5月12日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-stroke-related-stroke-353/what-you-need-to-know-about-strokes-733589.html

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