1HDN「パッケージニュース」5月24日No. 2
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大腸ポリープのタイプががんリスクの指標に?

大腸内視鏡検査でポリープが見つかることは珍しくない。中でも最も高頻度にみられるのが良性の腫瘍「腺腫(アデノーマ)」である。腺腫が見つかった人がその後、大腸がんを発症する確率は明確には分かっていないが、米ピッツバーグ医科大学のRobert Schoen氏らによる研究から、腺腫が「進行型」の場合、その後大腸がんを発症するリスクが高く、「非進行型」であれば発症リスクは腺腫が見つからなかった人と同程度であることが示唆された。この研究は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」5月15日号に掲載された。

この研究は、米国立衛生研究所(NIH)の助成を受けて実施された。対象は、がん検診の効果を検証するために実施された前立腺・肺・大腸・卵巣(PLCO)がんスクリーニング試験の一環でS状結腸鏡検査を受け、結果が初めて陽性であったため追加で大腸内視鏡検査を受けた1万5,935人(平均年齢64歳、男性59.7%、白人90.7%)であり、2013年12月まで追跡した。大腸内視鏡検査で見つかった腺腫は、腫瘍径が1cm以上で絨毛腺腫、管状絨毛腺腫、高度異型のいずれかが当てはまる場合は「進行型」に、腫瘍径が1cm未満で組織学的な進行が認められない場合は「非進行型」に分類した。

対象者のうち2,882人(18.1%)で進行型腺腫が、5,068人(31.8%)で非進行型腺腫が見つかった。残る7,985人(50.1%)では腺腫は見つからなかった。12.9年(中央値)の追跡期間における1万人年当たりの大腸がんの発症率は、進行型腺腫が見つかった人で20.0(70人)、非進行型腺腫が見つかった人で9.1(55人)、腺腫がなかった人では7.5(71人)で、腺腫がなかった人と比べて進行型腺腫が見つかった人では大腸がんのリスクが有意に高かったが〔罹患率比(RR)2.7、p<0.001〕、非進行型腺腫が見つかった人では有意なリスクの上昇は認められなかった(RR 1.2、p=0.30)。

以上の結果を踏まえ、Schoen氏は「刺激的な研究結果だ」とした上で、「大腸内視鏡検査で腺腫が見つかっても、それが非進行型であれば大腸がんリスクは腺腫がない人と同程度であるため、その後、大腸内視鏡検査を頻繁に受ける必要はない」との見解を示している。その一方で、進行型の腺腫性ポリープが見つかった場合については「切除した後も全体的な大腸がんリスクは残るため、定期的に大腸内視鏡検査を受ける必要がある」としている。

大腸内視鏡検査は大腸がんの早期発見に役立ち、悪性の可能性があるポリープを切除することで大腸がんを予防することもできる。ポリープが見つかることは珍しくないが、ポリープが見つかった人はその後も大腸内視鏡検査を頻繁に受ける場合が多い。

Schoen氏によると、米国では非進行型の腺腫が1~2個見つかった人は、5~10年以内に大腸がん検診を再び受けるよう助言される場合が多いという。しかし、今回の研究結果はその必要性に疑問を投げかけるものだとしている。「こうした人の全てが5年ごとに検診を受けても、予防できるがんは少ない。したがって、本当に検診が必要なのはどのような場合なのかを明らかにする必要がある。そうすれば、不要な検査を減らし、医療費を削減できる可能性がある」と同氏は話している。

今回の研究結果を受け、米フォックス・チェイスがんセンターのDavid Weinberg氏も「進行が認められない低グレードのポリープが見つかった患者に対しても、5年ごとにルーチンでフォローアップの大腸内視鏡検査を実施すべきとする考えに疑問を呈するものだ」と指摘し、不要な大腸内視鏡検査は減らすべきとするSchoen氏の見解に同意を示している。ただし、進行型の腺腫性ポリープが見つかった人については大腸がんのリスクが高いため、「こうした患者には必ず定期的に経過観察を行い、大腸ポリープを早期に発見し、切除するための努力が必要だ」と強調している。(HealthDay News 2018年5月15日)

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https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/colonoscopy-news-140/colon-polyp-type-may-be-key-to-cancer-risk-733897.html

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