1HDN「パッケージニュース」No. 4
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「不安感」で閉経後女性の骨折リスク上昇か

強い不安を抱いている女性では、それほど大きな不安はない女性と比べて骨折リスクが高いことが、イタリアの閉経後女性約200人を対象とした研究から明らかになった。研究を実施したメッシーナ大学病院(イタリア)のAntonino Catalano氏によると、これまでに不安があると心疾患や消化器疾患のリスクが上昇するとの報告はあったが、骨折リスクにも影響することを示した研究はこれが初めてだという。研究の詳細は「Menopause」5月9日オンライン版に掲載された。

骨粗鬆症は世界的に高頻度にみられる骨代謝疾患の一つで、Catalano氏らによれば女性の33%、男性の20%が生涯に一度は骨粗鬆症に関連した骨折を経験するという。一方、不安障害の有病率は全世界で7%と報告されている。

Catalano氏らは今回、これら2つの問題の関連について調べるため、2017年にイタリアの骨粗鬆症専門クリニックを受診した閉経後女性192人(平均年齢67.5±9.5歳)のデータを分析した。

調査対象者とした女性は全員が詳細な健康診断を受け、過去の骨折歴、関節炎の診断歴、心臓や肺の健康状態、喫煙および飲酒の習慣を評価された。また、骨粗鬆症のある閉経後女性にはX線を用いた椎骨形態計測を実施した。

さらに、さまざまな骨折の臨床的リスク因子や骨折リスク評価ツール(FRAX)、腰椎および大腿骨頸部の骨密度のほか、ハミルトン不安評価尺度(HAMA)やベック抑うつ評価尺度、健康関連QOL評価尺度(SF-36®)のスコアで不安の程度やQOL(生活の質)を評価した。

その結果、不安の評価尺度であるHAMAスコアの最低三分位群では、最高三分位群と比べて骨折する確率が低かった(20.44%対24.94%、P=0.01)。また、HAMAスコアの最高三分位群では、最低三分位群と比べて腰椎および大腿骨頸部の骨密度スコア(Tスコア)が低かった(腰椎はそれぞれ-2.84対-2.06、P<0.001、大腿骨頸部はそれぞれ-2.21対-1.93、P<0.05)。さらに、椎体骨折の発生率は、HAMAスコアの最低三分位群と比べて最高三分位群で高かったが、両群間で有意差は認められなかった。

この研究結果は不安感が骨折リスクを高める原因であることを示したものではないが、以上の結果を踏まえ、Catalano氏らは「高齢女性の骨折リスクを評価する際には、女性の不安レベルも調べることが望ましい」との見解を示している。

北米閉経学会(NAMS)の常任理事で米バージニア大学ヘルスシステムのJoAnn Pinkerton氏は、「加齢に伴い上昇する骨折リスクを最小限に抑えるための手段はたくさんある」と強調。更年期前後の女性では、適量のカルシウムを摂取すること、定期的な筋力トレーニング、日光浴やビタミンの摂取が重要だとしている。また、不安を解消するためにPinkerton氏が勧めているのは、マインドフルネスや認知療法、ヨガなどだ。カウンセリングを通じて支援を求めたり、必要に応じて薬剤を使用したりすることも考慮すべきだと同氏は助言している。(HealthDay News 2018年5月17日)

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https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/anxiety-news-33/anxious-women-may-want-to-keep-an-eye-on-their-bone-health-733823.html

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