1HDN5月31日「パッケージニュース」No. 2
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地中海食で大気汚染による健康への害を緩和できる?

果物や野菜、豆類が中心で加工食品の摂取が少ない地中海食は、心臓に良い食事法として長年評価されている。新たな研究で、地中海食には大気汚染による健康への有害な影響を防ぐ効果があり、心筋梗塞や脳卒中などによる死亡リスクを低減できる可能性があることが示唆された。この研究結果は、米国胸部学会(ATS 2018、5月18~23日、米サンディエゴ)で発表された。

研究を行った米ニューヨーク大学(NYU)医学部のChris Lim氏によると、地中海食は果物、野菜、未精製の穀物、豆類、オリーブ油、脂肪の少ない蛋白質が豊富で、赤肉や加工食品はあまり取らない食事法であり、抗酸化物質が豊富であるため組織や細胞に傷害を与えるフリーラジカルを中和するという。これまでの研究から、食事を抗酸化物質が豊富なものに変更すると、短期的な高レベルの大気汚染曝露による有害な影響を緩和できることが示されていたが、長期的な大気汚染曝露と健康との関連に対して、食事がどのように影響するのかは分かっていなかった。

この研究では、米国の6つの州で17年にわたり高齢者約54万9,000人を追跡したNIH-AARP Diet and Health Study(米国立衛生研究所/全米退職者協会の食事と健康に関する研究)のデータを分析した。追跡期間中、約12万7,000人の試験対象者が死亡した。対象者を地中海食にどのくらい近い食事をしていたかによって5つのグループに分けた上で、国勢調査のデータを用いて対象者の特定の大気汚染物質(微小粒子状物質や二酸化窒素、オゾン)への曝露量を推定した。

その結果、最も地中海食とかけ離れた食事をしていたグループでは、長期的な微粒子物質への平均曝露量が1m3当たり10μg増加するごとに、心疾患による死亡が17%上昇することが分かった。一方、地中海食に最も厳密に従っていたグループでは、心疾患による死亡率の上昇は5%であった。また、地中海食に従っていなかったグループでは二酸化窒素への平均曝露量が10ppb増えるごとに全死亡率が5%増大したが、最も厳密に従っていた群では2%にとどまった。オゾンについては、地中海食による防御効果は認められなかった。

論文の上席著者である同大学医学部のGeorge Thurston氏は、「今回の結果は、化石燃料の燃焼による大気汚染が、酸化ストレスと炎症を誘発することにより健康に影響を及ぼすという仮説を支持するものだ。一方、オゾンは異なる機序によって心臓の健康に影響を及ぼすとみられる」と述べている。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学雑誌に掲載されるまでは予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2018年5月21日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/mediterranean-diet-985/can-the-mediterranean-diet-protect-against-smog-related-deaths-733899.html

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