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神経筋電気刺激は運動療法の代替となるか? 日本人2型糖尿病患者で検証

日本人の2型糖尿病患者は、リハビリテーションの一つである神経筋電気刺激(neuromuscular electrical stimulation)により空腹時血糖値と体脂肪率が有意に低下することが、兵庫医療大学リハビリテーション学部理学療法学科の宮本俊朗氏らの研究グループの検討で分かった。神経筋電気刺激は認知機能と関連する可能性が示唆されている脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中濃度も上昇させた。肥満や関節痛などで運動できない2型糖尿病患者において、神経筋電気刺激は運動療法の有用な代替的手段になると期待されるという。詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」5月24日オンライン版に掲載された。

運動は2型糖尿病の予防や治療に不可欠とされるが、肥満や関節痛などのために運動を制限されている患者も多くみられる。研究グループは今回、神経筋電気刺激が筋力の回復だけでなく、糖代謝を改善させ、運動療法の代替的手段となる可能性に着目。2型糖尿病患者を対象に、長期にわたる神経筋電気刺激による筋力トレーニングが血糖値や脂質代謝、認知機能と関連する可能性がある血液検査指標〔BDNFおよびインスリン様成長因子1(IGF-1)〕に及ぼす影響を検討するため、ランダム化クロスオーバー試験を実施した。

今回の試験には、外来の男性2型糖尿病患者14人(平均年齢63.2±3.0歳)が参加した。対象患者を神経筋電気刺激の後に対照期間を設ける群(6人)または対照期間の後に神経筋電気刺激を行う群(8人)にランダムに割り付けた。治療期間は対照期間、神経筋電気刺激ともに8週間とし、神経筋電気刺激は40分のセッションを週5日、両下肢に行った。解析は治療を完遂した計12人で行った。

その結果、神経筋電気刺激の開始前から終了時には、空腹時血糖値と体脂肪率が有意に低下した(P<0.05)。一方で、神経筋電気刺激の前後でHbA1c値と脂質値には有意な変化はみられなかった(P≧0.05)。また、BDNFの血中濃度は、対照期間中と比べて神経筋電気刺激の期間中に有意に高値を示した。

これらの結果を踏まえて、研究グループは「8週間の長期にわたる神経筋電気刺激は、対照期間と比べて2型糖尿病患者の空腹時血糖値と体脂肪率を改善し、BDNFの血中濃度に良好な影響を及ぼす可能性のあることが分かった。今後は、より長期にわたる神経筋電気刺激や食事療法との併用がHbA1c値や脂質値に影響を及ぼすのかどうかを検証したい」と話している。(HealthDay News 2018年6月4日)

Abstract/Full Text
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S016882271830072X

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