1HDN6月4日「パッケージニュース」No. 4
image_print
医療・健康ニュース/パッケージニュース/

治療も可能? 新たなタイプのめまいを特定

ソウル大学校(韓国)のJi-Soo Kim氏らは、新たな研究で「頭振り検査(head shaking test)」の後に無意識のうちに眼球が動く「眼振」が認められる特定のタイプのめまいがあることを突き止めた。めまいの原因は多様であるため治療は困難だと考えられてきたが、このタイプのめまいであれば薬物療法で治療できる可能性があるという。この研究結果の詳細は「Neurology」5月23日オンライン版に掲載された。

めまいは内耳の障害や腫瘍などさまざまな健康問題がきっかけで生じることが分かっているが、原因が不明な場合もある。また、めまいの患者では嘔吐や頭痛、乗り物酔いなど他の不快な症状がみられることもある。

Kim氏らは、めまい専門施設を受診した原因不明の反復性自発性めまい(recurrent spontaneous vertigo;RSV)患者338人のうち、頭振り検査で眼振(headshaking nystagmus;HSN)が認められた患者35人(10%)を特定。これらのRSV-HSN患者と、メニエール病や前庭性片頭痛、前庭神経炎といった疾患が原因でめまいがみられる患者35人の特徴について比較検討した。

なお、頭振り検査は患者に暗い部屋の中で椅子に腰かけてもらい、検査担当者が患者の頭を前方に動かした上で約15秒間にわたって水平方向に左右に振るというもの。その後の眼球の動きをビデオで撮影し、観察した。その際、Kim氏らは一部の患者で眼振が他の人よりも長く続いていることに気付いたという。

また、研究では全ての対象者にルーチンで実施している神経学的検査に加え、聴覚・前庭機能の包括的な評価を実施し、めまいの家族歴についても尋ねた。さらに、質問票を用いて乗り物酔いの感受性を評価したほか、必要に応じてMRIなどによる脳画像検査を実施した。

その結果、RSV-HSN患者では検査後の眼振の持続時間が12秒に及び、メニエール病患者の2倍の長さで、前庭性片頭痛や前庭神経炎の患者と比べて5秒長かった。また、RSV-HSN患者ではメニエール病や前庭性片頭痛などの患者と比べて乗り物に酔いやすいことも明らかになった。さらに、RSV-HSN患者35人中20人に予防的に薬剤を投与した結果、約3分の1の患者で症状が軽減または完全に消失したとしている。

なお、Kim氏らはこれらのRSV-HSN患者31人を平均で12年間追跡したが、その間にめまいが完全に消失した患者は5人、症状が改善した患者は14人で、症状が悪化した患者はたった1人だったという。その他の結果については明らかにされていない。

Kim氏によると、RSV-HSN患者では、身体の動きや環境への脳の反応を促す前庭系の働きが過剰になっている可能性があるという。同氏は「この不安定な働きが、身体や環境の要因によって障害されると、めまいが発生するのではないか」との見方を示している。

また、今回の研究結果を踏まえ、Kim氏は「めまいは診断が難しく、患者をかなり衰弱させる。今回、治療に反応する可能性があるめまいの診断法を見出せたことに心を躍らせている」と話している。(HealthDay News 2018年5月24日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/dizziness-and-vertigo-news-205/newly-identified-form-of-vertigo-responds-to-treatment-734083.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES