2HDN糖尿病ニュース6月7日配信2
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重症感染症患者は肥満だと死亡率が低い?

肥満は健康に悪影響を及ぼすばかりではないようだ。デンマークで行われた新しい研究で、感染症で入院した患者のうち、過体重や肥満の人は適正体重の人と比べて退院後の死亡率がほぼ半減する可能性のあることが示された。研究の詳細は、欧州肥満学会(ECO 2018、5月23~26日、オーストリア・ウィーン)で報告された。

この研究で、オーフス大学病院(デンマーク)臨床疫学のSigrid Gribsholt氏らは、2011~2015年に感染症で入院した患者3万5,000人以上を対象に、患者の体重が退院から3カ月後の死亡リスクに及ぼす影響について調べた。

その結果、適正体重の人と比べて、低体重の人は退院から3カ月後の死亡リスクは2倍であったが、過体重の人では死亡リスクは40%、肥満の人では50%低下することが分かった。

Gribsholt氏らの分析によると、低体重の人でみられた死亡リスクの上昇は、感染症以外の疾患が原因で体重が急激に減少したことに起因していた。また、肥満の人では、直近の体重の変化や健康問題、喫煙状態などの因子は死亡リスクにほとんど影響を及ぼさなかったという。

これらの結果から、研究チームは「過体重や肥満であると感染症による入院から90日後の死亡率が大幅に低下する可能性がある」と結論づけている。

なお、この学会ではGribsholt氏らと同様な研究結果が複数報告された。まず、米国と台湾の共同研究チームが、肺炎で入院した米国人の患者170万人の診療録を分析したところ、過体重や肥満の人は適正体重の人と比べて死亡リスクが20~30%低いことが分かった。この研究では、過体重や肥満の患者は敗血症による死亡リスクが22~23%低いことも報告された。さらに、エラスムス大学医療センター(オランダ)の研究チームは、26人の重症患者を対象とした研究で、このうち9人の肥満患者は適正体重の患者と比べて筋萎縮の急速な進行が生じにくいことを報告した。

しかし、肥満症の専門医である米レノックス・ヒル病院のMitchell Roslin氏は、こうした「肥満パラドックス」はものの見方の問題だと指摘し、「肥満がもたらす保護的な効果よりも、糖尿病や心臓病、一部のがんなどを引き起こす問題の方が重大だ」と強調している。なお、学会で発表された研究結果は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2018年5月25日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/obesity-may-offer-some-protection-when-severe-infection-strikes-734245.html

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