Young woman in bed suffering from cancer. Thoughtful woman battling with tumor looking out of window. Young patient with blue headscarf recovery in hospital on bed.
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大腸がん化学療法の費用、米とカナダで2倍の開き

米国とカナダの国境を挟んで隣接する2つの州で、切除不能な大腸がんの化学療法の費用には2倍の開きがあることが、米フレッド・ハッチンソンがん研究センターのVeena Shankaran氏らの研究で分かった。大腸がんの初期に行う化学療法の費用は、患者一人当たり、月平均でカナダのブリティッシュコロンビア州では6,195ドル(約68万円)だったのに対し、米国のワシントン州では1万2,345ドル(約136万円)に上った。一方で、これらの州では患者の予後に大きな差はみられなかったという。研究の詳細は、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018、6月1~5日、米シカゴ)で報告される。

Shankaran氏らは今回、医療制度が大きく異なる米国とカナダにおいて、性別や年齢などの構成や人口密度、所得、教育レベルなどの人口統計学的な特性が類似するこれら2つの州に着目。保険請求データを用いて、両州の切除不能な大腸がん患者を対象に、化学療法の実施頻度や治療内容、費用、予後(全生存期間)などを比較検討した。

解析対象とした切除不能な大腸がん患者は、カナダの1,622人と米国の575人で、平均年齢はブリティッシュコロンビア州の方が高く(66歳対60歳)、化学療法を受ける患者の割合はワシントン州の方が高かった(79%対68%)。これらの差について、研究を率いた同センターのTodd Yezefski氏は「前者については、米国でメディケアを受給する患者が解析に含まれていないこと、後者については、米国の患者の方が比較的若かったことが影響したと考えられる」と説明している。

解析の結果、化学療法の費用には2つの州で2倍の開きがみられた。化学療法の治療内容についてもやや差がみられたが、いずれの治療法も臨床試験などで有効性は同程度であることが証明されていた。このことは予後の結果からも裏付けられ、化学療法を受けた患者の全生存期間(中央値)は、ワシントン州では21.4カ月、ブリティッシュコロンビア州では22.1カ月と2つの州で差はみられなかった。なお、化学療法を受けていない場合の全生存期間は中央値でそれぞれ5.4カ月、6.3カ月であった。

Shankaran氏は、米国に比べてカナダで化学療法の費用が低かった結果は「驚くものではない」述べ、その理由として、カナダでは単一支払者制度(国民皆保険制度)が採用されていること、米国では全体的に薬価が高い傾向があることを挙げている。同氏らは、研究の次の段階として、画像検査や入院、外科手術といった他のがん治療のコストを米国とカナダで比較する予定だ。同氏は「今回の結果は、政策立案者が薬価の上昇に対処する新しい施策を考える際に活用できるだろう」と期待を示している。

なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものと見なす必要がある。(HealthDay News 2018年6月1日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/health-cost-news-348/cancer-care-twice-as-costly-in-u-s-versus-canada-734426.html

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