2HDN糖尿病ニュース6月21日配信1
image_print
疾患・分野別ニュース/糖尿病/

海馬の石灰化に「糖尿病」と「喫煙」が関連か

喫煙習慣がある人や糖尿病患者では、記憶の形成や学習に重要な役割を担う脳の海馬が石灰化するリスクが高まる可能性のあることが、ユトレヒト大学医療センター(オランダ)の研究チームの検討で分かった。一方で、海馬の石灰化の有無やその程度は認知機能とは関連しない可能性も示された。研究の詳細は「Radiology」6月12日オンライン版に掲載された。

この研究は、2009~2015年に、オランダの一般病院のメモリークリニック(物忘れ外来)を受診した1,991人(45~96歳、平均年齢は78歳)を後ろ向きに追跡したもの。頭部CT検査で脳の海馬の石灰化を評価し、認知機能検査や心血管リスク因子(高血圧と糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣)の評価も行って海馬の石灰化に関連する因子と石灰化が認知機能と関連するかどうかを検討した。

解析の結果、対象患者の19.1%(380人)で海馬の石灰化が認められた。また、海馬の石灰化には、糖尿病と喫煙習慣、加齢の3つの因子が有意に関連することが分かった(1年ごとのオッズ比はそれぞれ1.50、1.49、1.05)。一方で、この石灰化の有無や程度と認知機能との間には関連はみられなかったという。

研究を主導した同大学老年医学のEsther J.M. de Brouwer氏は「認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症では、脳の海馬が萎縮していくことが知られている。しかし、驚くべきことに、今回の研究では海馬の石灰化は認知機能と関連しないとする結果が得られた」と話す。この理由として同氏は、海馬にはいくつもの層があり、石灰化しても記憶の貯蔵に重要な部位には影響しない可能性があることや、今回は対象者が全て物忘れ外来を受診した患者であったことを挙げている。

今回の結果からは、糖尿病や喫煙習慣で海馬が石灰化するとは結論づけられないが、de Brouwer氏は「これらの間には強い関連があることが示唆される」と指摘する。同氏は、最近の組織学的な研究では、海馬の石灰化は脳心血管疾患の徴候の一つである可能性が示されているとし、「喫煙や糖尿病はこれらの疾患のリスク因子であることから、喫煙や糖尿病が海馬の石灰化のリスク因子であっても不思議ではない」と話している。(HealthDay News 2018年6月12日)

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES