2HDN糖尿病ニュース6月21日配信2
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糖尿病患者でパーキンソン病リスク上昇

2型糖尿病と診断された患者は、2型糖尿病のない患者と比べてその後にパーキンソン病を発症するリスクが高い可能性のあることが、英国の国民保健サービス(NHS)の大規模データを用いた研究で分かった。ただし、研究を率いた英ロンドン大学神経学研究所教授のThomas Warner氏は、2型糖尿病患者全体のうちパーキンソン病を発症する患者はわずかに過ぎず、結果には慎重な解釈が必要だとしている。詳細は「Neurology」6月13日オンライン版に掲載された。

Warner氏らは、1999~2011年のNHSの公的医療機関における全入院記録を収載したHospital Episode Statistics(HES)のデータを用いて、2型糖尿病の診断とその後のパーキンソン病の発症リスクとの関連を調べた。対象は、追跡期間中に新たに2型糖尿病と診断された患者201万7,115人と捻挫や静脈瘤、虫垂切除術、股関節置換術といった糖尿病と関連しない理由で入院した患者617万3,208人(対照群)とした。

その結果、2型糖尿病と診断された患者は、2型糖尿病のない患者と比べてその後にパーキンソン病を発症するリスクが1.32倍であることが分かった。また、網膜症や腎症、神経障害といった糖尿病合併症のある患者ではそのリスクは1.49倍になり、25~44歳の若年患者ではさらに上昇して3.81倍に上ることも明らかになった。なお、今回の解析では糖尿病の薬物療法の内容や喫煙歴は考慮されなかった。

Warner氏は、この研究は因果関係を証明するものではないとしつつ、これらの疾患を関連づける2つの理由として、遺伝的な要因や発症過程に共通点がある可能性を挙げている。後者については、糖尿病に特徴的なインスリン分泌や血糖コントロールの障害が考えられ、「脳細胞はエネルギー源としてブドウ糖(グルコース)にほぼ完全に依存している。インスリン分泌が障害されると全身の細胞がブドウ糖を使えなくなるが、このことは一部の脳細胞に特に強い影響を与えている可能性がある」と同氏は説明している。

全米パーキンソン病財団のMichael Okun氏は「これまで多くの研究でパーキンソン病と糖尿病の関連が報告されており、今回の結果は驚くべきものではない」とした上で、若い患者では遺伝的な要因が重要な役割を果たし、高齢患者では老化自体が脳内の内分泌系に障害をもたらしている可能性を指摘している。また、一部の糖尿病治療薬がパーキンソン病の予防や治療に有望とする報告もなされているが、同氏は「十分に検証されるまでは安易に使用すべきではない」と強調している。(HealthDay News 2018年6月13日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/misc-diabetes-news-181/diabetes-linked-to-risk-for-parkinson-s-disease-734726.html

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