1HDN6月21日「パッケージニュース」No. 4
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抗レトロウイルス療法でHIV感染者のがんリスク減

HIV感染者はがんを発症するリスクが高いことが知られているが、抗レトロウイルス療法(ART)でウイルス量を長期間にわたって抑制すれば、がんリスクを低減できる可能性のあることが、米スタンフォード大学医学部のLesley Park氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Annals of Internal Medicine」6月12日オンライン版に掲載された。

HIV感染者は「AIDS指標悪性腫瘍(AIDS-defining cancers ; ADC)」と呼ばれる特定のがんと、いくつかの「非AIDS指標悪性腫瘍(non-AIDS-defining cancers ; NADC)」を発症するリスクが高いことが知られている。ADCにはカポジ肉腫や非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸がんなどが含まれ、HIV患者がこれらのいずれかを発症するとAIDSと診断される。一方、NADCには肺がんや喉頭がん、メラノーマ(悪性黒色腫)、白血病などがあり、これらはAIDSの診断指標とはならないがHIV感染者では特に発症率が高いとされている。

HIV感染者に対する治療の主軸となるのはARTだが、これまでの研究から、ARTでウイルスの増殖を長期間にわたって抑制すると一部のがんのリスクが低減することが報告されていた。しかし、長期間にわたるウイルス量の抑制が全体的ながんリスクに及ぼす影響について検討した研究は限られていたという。

そこでPark氏らは今回、退役軍人コホート研究に参加したHIV感染者4万2,441人と、人口学的な背景因子を一致させたHIV非感染者10万4,712人を対象に、1999年から2015年までのがん発症率を比較検討した。

その結果、HIV非感染者と比べて、がんリスクはウイルス量を抑制できていなかったHIV感染者で最も高く〔罹患率比(RR)2.35〕、リスクの上昇幅はウイルス量を短期間(2年以内)抑制できたHIV感染者ではより低く(同1.99)、2年以上の長期間にわたってウイルス量を抑制できたHIV感染者で最も低かった(同1.52)。

以上の結果を踏まえ、Park氏らは「今回の結果は、感染症を専門とする医師や高齢になったHIV患者を診療する機会がある内科医にとって有用な情報となるだろう」との見解を示している。(HealthDay News 2018年6月11日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/cervical-cancer-news-95/antiviral-treatments-reduce-cancer-risk-for-hiv-patients-734639.html

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