1HDN7月5日「パッケージニュース」No.4
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「高濃度乳房は乳がんリスク高い」を客観的評価で確認

マンモグラフィの画像データに基づき客観的に乳腺濃度を評価可能なソフトウェアを用いたノルウェーの研究で、乳腺濃度が高い高濃度乳房(デンスブレスト)は乳がんリスクが高い可能性があることが示された。約10万人の女性が受けた乳がん検診の累計30万件のデータを後ろ向きに解析した結果、高濃度乳房と判定された女性では、高濃度乳房ではない女性と比べて要精検率や生検率が高く、乳がんの発見率もわずかに高いことが示された。詳細は「Radiology」6月26日オンライン版に掲載された。

この研究は、ノルウェーがん登録の研究員であるSolveig Hofvind氏らが実施したもの。対象は、2007~2015年にノルウェーで累計30万7,015件の乳がん検診を受けた50~69歳の女性10万7,949人(平均年齢58.7歳)。検診時のマンモグラフィの画像データに基づき高濃度乳房群と非高濃度乳房群に分けて、要精検率や生検率、検診によるがん発見率や定期検診の間に発見される中間期乳がんの発見率などを比較検討した。

その結果、検診のうち8万7,021件(28%)の乳房が高濃度乳房に分類された。非高濃度乳房群と比べて高濃度乳房群では要精検率や生検率が高く(要精検率は2.7%対3.6%、生検率は1.1%対1.4%)、検診による乳がん発見率や中間期乳がんの発見率も高かった(それぞれの乳がん発見率は検診1,000件当たり5.5件対6.7件、同1.2件対2.8件)。

さらに、非高濃度乳房群と比べて高濃度乳房群では検診の感度や特異度が低く(感度は82%対71%、特異度は98%対97%)、がん発見時の腫瘍の平均サイズが大きいことも分かった(15.1mm対16.6mm)。

高濃度乳房はマンモグラフィで撮影すると、乳房の多くの部分が白色で映し出されるため、腫瘍が発見されにくいことが乳がん検診では大きな課題となっている。米イェール大学医学部のLiane Philpotts氏は、論文の付随論評で「自分が高濃度乳房なのかどうかは、マンモグラフィ検査を受けなければ分からない」と指摘する。同氏によれば、世界的には米国放射線学会(ACR)の4つのBreast Density(乳房密度)分類で濃度の高い2つが高濃度乳房と定義される。米国では乳がん検診の対象となる女性の約半数が高濃度乳房と推定されているが、この割合は加齢に伴い低下するという。

ただし、ACRの評価法では、放射線科の医師がマンモグラフィ画像から主観的に乳腺濃度を判断するのに対し、Hofvind氏らの研究では乳腺濃度を自動評価するソフトウェアが用いられた。同氏は「将来的には、乳がん検診時にこうしたソフトウェアを導入することも検討する必要があるかもしれない」と話している。

ただし、Philpotts氏は、今回の研究は比較的高齢で、検診間隔が2年の女性を対象としたことに言及し、この結果は米国人女性全般には当てはまらない可能性があると指摘。今回用いられた自動評価ソフトウェアについてもリスクとベネフィットをさらに検討する必要があるとし、「高濃度乳房の女性はマンモグラフィに加えて超音波検査やMRI検査などの画像検査を追加で受ける必要がある」と付け加えている。(HealthDay News 2018年6月26日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/study-confirms-denser-breasts-are-more-prone-to-cancer-735188.html

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