1HDN7月5日「パッケージニュース」No.2

血中ビタミンD濃度低いと間質性肺疾患リスク増

ビタミンDは骨の健康維持に欠かせない栄養素の一つだが、血中25(OH)D濃度が低いと間質性肺疾患(ILD)を発症するリスクが高まる可能性のあることが、新たな研究で示された。研究の詳細は「Journal of Nutrition」6月19日オンライン版に掲載された。

ILDとは肺に炎症や肺組織の線維化をもたらす疾患で、米国では年間に約20万人がILDと診断されている。ILDの原因はさまざまで、アスベスト(石綿)などの大気汚染物質やウイルス、細菌などの感染によるもの、自己免疫疾患であるもの、薬剤の副作用として引き起こされるものなどがある。

米ジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは、今回、米国の大規模なコホート研究であるMESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)研究に参加し、ベースライン時に心血管疾患の既往がなく、血中25(OH)D濃度を測定し、CT検査を実施した6,302人を対象に10年間以上追跡。ベースライン時の血中25(OH)D濃度とILDの発症およびその後のILDの進行との関連を調べた。解析対象者の平均年齢は62.2歳で、女性が53%であった。

対象者を血中25(OH)D濃度で3群(不足:20ng/mL未満、20ng/mL以上30ng/mL未満、充足:30ng/mL以上)で分けて解析した結果、ベースライン時に血中25(OH)D濃度が充足していた群に比べて、不足していた群ではベースライン時にILDの初期の徴候を示すリスクが高く、また、中央値で4.3年間の追跡期間中にILDが進行するリスクも高いことが分かった。さらに、ベースライン時における血中25(OH)D濃度の不足は、10年後のILD有病率の上昇とも関連していた。

これらの結果から、研究グループは「血中ビタミンD濃度が不足することはILDの発症や進行のリスク因子の一つである可能性が示唆された」と結論づけている。

論文著者の一人で同大学心血管疾患予防センター副部長のErin Michos氏によると、これまでの研究で、活性型ビタミンDには抗炎症作用があり、免疫系の制御に働くことが分かっている。また、ビタミンDは喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患の発症や進行にも重要な役割を担うことが報告されているが、同氏は「今回の研究から、ビタミンDの血中濃度は肺組織の線維化が進むILDとも関連することが示された」と指摘している。

今回の結果は、これらの因果関係を証明するものではないが、Michos氏らは「肺の健康を保つには、十分な血中ビタミンD濃度を維持することが重要な可能性が示された。今後は、ILDのリスク因子として、大気汚染物質や喫煙に加えてビタミンD不足を加えるべきなのか、また、サプリメントの摂取や日光浴などのビタミンD補充対策がIDLの予防や進行抑制に有効かどうかを検討する必要がある」と話している。なお、同氏らによれば、現時点でILDの根治療法は見つかっておらず、多くの患者は診断から5年以内に死亡するという。(HealthDay News 2018年6月25日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/vitamin-and-mineral-news-698/vitamin-d-deficiency-could-be-lung-disease-risk-735000.html

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