1HDN7月9日「パッケージニュース」No.3

白内障手術で高齢ドライバーの交通事故が減少か

50万人以上のカナダの高齢者を対象とした研究から、白内障の高齢ドライバーが手術を受けると交通事故のリスクが9%低下することが分かった。リスクの低下度はわずかではあるが、研究を実施したケンジントン・アイ・インスティテュート (カナダ)のMatthew Schlenker氏らは「白内障手術による視機能の改善は、自動車運転に伴う交通事故のリスク低下と関連することが示された」と説明している。この研究結果は「JAMA Ophthalmology」6月28日オンライン版に発表された。

Schlenker氏らによれば、米国人の60~70%が生涯で白内障を発症する。唯一の治療法は手術で、米国では年間300万件以上の白内障手術が実施されているという。

Schlenker氏らは今回、白内障手術と高齢ドライバーの交通事故の発生率との関連について検討するため、2006~2016年に白内障手術を受けたオンタリオ州における65歳以上の住民55万9,546人(平均年齢76歳、女性58%)の医療データと運転記録を調べた。1人当たりの観察期間は5年間とし、白内障手術を受ける直前の6カ月間よりも以前の期間をベースライン期間、手術を受けた後を術後期間と定義した。なお、ベースライン期間は平均で約3.5年だった。

その結果、患者1,000人年当たりの交通事故の発生率はベースライン期間の2.36件から術後1年間には2.14件に減少し、白内障手術の実施後には交通事故リスクが0.9%低下したことが分かった。また、75歳超の高齢者に限るとリスクの低下度は14%とより大きかった。さらに、年間に1件の交通事故を回避するのに必要な白内障手術は4,564件であることが推定されたという。

ただし、こうした白内障手術による交通事故の低減効果は、高齢者が自動車を運転している場合に限られ、同乗者や歩行者だった場合には認められなかった。

この研究は因果関係を証明したものではないが、専門家らは「納得できる結果だ」と評価している。その一人で米ノースウェル・ヘルスの眼科医であるMatthew Gorski氏は、白内障では視界がかすむ、光を眩しく感じる、薄暗く見える、夜間に物が見えにくくなるといった症状が高頻度にみられることから、これらの症状は高齢ドライバーの安全性に大きく影響するのではとの見方を示している。

その上で、Gorski氏は「高齢者はこの研究結果から、視力になんらかの変化があれば眼科医の検査を受ける必要があることを再認識するはずだ。また、この結果は、40歳を超えたら年1回の眼科検診を受けることの重要性を改めて示している」と話している。別の専門家で米レノックス・ヒル病院のMark Fromer氏は「この研究は、高齢者が白内障手術を受けて視力が改善すると、交通事故が減るだけでなく社会経済的な負担の軽減にもつながる可能性を示している」とコメントしている。(HealthDay News 2018年6月28日)

https://consumer.healthday.com/eye-care-information-13/cataracts-health-news-116/cataract-surgery-tied-to-fewer-car-crashes-for-seniors-735287.html

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