2HDN糖尿病ニュース7月12日配信2
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腎臓病の「世界的流行」に専門家が警鐘

腎臓病の患者数は世界で8億5000万人に達すると推計され、腎臓病はいまや世界的に流行していると専門家が警鐘を鳴らしている。推計によれば、この数字は糖尿病患者(4億2200万人)の約2倍、がん患者(4200万人)やHIV/AIDS患者(3670万人)の20倍以上に上るとされるが、腎臓病に対する一般の認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していないという。

国際腎臓学会(ISN)現会長のDavid Harris氏と元会長のAdeera Levin氏は「腎臓病の世界的な蔓延に目を向けるときが来た」と話している。腎臓病の初期段階では、ほとんど自覚症状がないため患者自身が気づきにくい。また、腎臓病になると感染症、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患、腎不全になるリスクが高まり、入院するリスクも増加するが、これらのリスクは一般にほとんど知られていない。

各国の推計から、世界中で男性の約10%、女性では12%近くが慢性腎臓病(CKD)に罹患していると推定されている。また、透析療法や腎移植を必要とする患者は530万人~1050万人と推定されるが、医療費や臓器不足などの問題で多くの患者は適切な治療を受けていない。さらに、毎年1300万人以上が急性腎障害(AKI)を来たしており、その一部はCKDや腎不全に進行するとされる。

「今現在、得られているあらゆる情報から推定すると、世界の腎臓病患者は8億5000万人に上ることが明らかになった。この数字が腎臓病の世界的な蔓延を意味するのは明らかだ」とLevin氏は述べている。

腎臓は血液中の老廃物や塩分を取り除き、体内の水分量や電解質のバランスを整えるほか、血圧を調節する、赤血球を作る働きを助けるなど生命維持に欠かせないさまざまな役割を担っている。

腎機能が低下した状態が長く続くと、さまざまな合併症をもたらすことにも注意が必要だ。欧州腎臓・透析移植学会(ERA-EDTA)会長のCarmine Zoccali氏は「腎臓病患者は自覚症状がなくても脳卒中や心筋梗塞を発症したり、感染症を起こすリスクは高い」と強調する。

特にCKD患者では心筋梗塞などの心臓病の合併頻度が高く、2013年には、腎臓病の合併症として引き起こされた心血管疾患により120万人が死亡しているという。米国腎臓学会(ASN)会長のMark Okusa氏は「世界の腎臓病患者の数は驚くほど多いが、一般の人々はそうした事実に気づいていない。腎臓病患者の転帰は不良な場合が多く、医療費の増大にもつながっている」と話している。なお、米国では透析患者にかかる年間の医療費は、患者一人当たり8万8,195ドル(約978万円)であるという。(HealthDay News 2018年7月5日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/misc-kidney-problem-news-432/850-million-people-worldwide-have-kidney-disease-735411.html

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