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週5回以上の入浴習慣に心血管保護効果の可能性 愛媛大の研究グループ

中年期以降の日本人では、週5回以上の入浴習慣は動脈硬化リスクを低減し、心機能を改善するなど心血管保護に働く可能性のあることが、愛媛大学社会共創学部教授の小原克彦氏らの研究グループの検討で分かった。これまでフィンランドの研究で、サウナ習慣が心血管疾患による死亡や突然死のリスク低減に関連することが報告されている。同氏らは「日本人の習慣である入浴にも同様の効果が期待できる」と話している。詳細は「Scientific Reports」6月21日オンライン版に掲載された。

温浴には、サウナと同様の温熱効果とともに水圧の効果があり、末梢血管内の血液が身体の中心部に集まって心機能の改善をもたらすと考えられている。研究グループは今回、中年期以降の日本人を対象に、温浴の習慣と動脈硬化や心負荷の指標との関連を調べる研究を実施した。

今回の研究では、2006~2013年に同大学附属病院抗加齢・予防医療センターの抗加齢ドックを受診した成人1,593人を対象に、2014年に入浴の頻度や入浴時間、湯温に関するアンケートを実施。回答が得られた873人を解析対象とした。また、動脈硬化の指標として頸動脈内膜中膜厚(IMT)と上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)を計測し、中心脈圧は橈骨圧波形から推定した。心機能(心負荷)の指標にはB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の血中濃度を測定した。

その結果、対象者の温浴の頻度は週に平均5.8回で、1回の入浴の平均時間は12.4分であった。対象者を入浴の頻度で3群に分けて動脈硬化および心機能の指標との関連を解析した結果、入浴頻度が週に5回以上の群では、週に4回以下の群と比べてbaPWVと中心脈圧、血中BNP濃度が有意に低いことが分かった。また、湯温を変数として加えたステップワイズ解析の結果、入浴頻度が高いほど中心脈圧と血中BNP濃度は低下を示し、熱めの湯温はbaPWV低値と関連した。

さらに、平均で4.9年間追跡し得た164人を対象に縦断的に解析した結果、週5回以上の入浴習慣により経年的な血中BNP濃度の上昇が抑えられることが明らかになった。また、湯温が熱めの群では、頸動脈最大IMTおよびbaPWVの経年性の増加が小さい傾向がみられた。

以上の結果から、研究グループは「日本人の入浴習慣は、中年期以降の心機能や動脈硬化の指標の改善と関連する可能性が示された。最適な湯温や入浴頻度などについては、今後さらなる検討が必要とされる」と結論づけている。(HealthDay News 2018年7月17日)

Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41598-018-26908-1

Press Release
https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/data_relese-79309/

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