1HDN7月17日「パッケージニュース」No.3
image_print
医療・健康ニュース/パッケージニュース/

子宮頸がん検診はHPV検査単独でも可能か?

この50年にわたって子宮頸がん検診で実施されてきた細胞診(パップテスト)が、過去の検査法になる日は近いかもしれない―。ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のGina Ogilvie氏らの研究から、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査は単独でも細胞診に比べて、子宮頸部の前がん病変の検出に優れる可能性のあることが示された。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」7月3日オンライン版に発表された。

Ogilvie氏らは今回、HPV検査単独による子宮頸がん検診の有用性を検討するため、2008~2012年に登録した、過去5年以内に中等度異形性(CIN2)以上の病変が発見されておらず、浸潤性子宮頸がんの既往歴もない25~65歳の女性19万9人(平均年齢45歳)を対象に、ランダム化比較試験(RCT)を実施した。対象女性をHPV検査群(9,552人)または細胞診群(対照群、9,457人)にランダムに割り付けて2016年12月まで追跡した。

HPV検査群では、最初のHPV検査で陰性だった場合には48カ月後にHPV検査と細胞診の両方を実施した。細胞診群では、最初の細胞診で陰性だった場合には24カ月後に再び細胞診を実施。その時点でも陰性だった場合には48カ月後にHPV検査と細胞診の両方を実施した。

その結果、48カ月後の時点で組織学的に確認された前がん病変(CIN3以上およびCIN2以上)の数は、細胞診群と比べてHPV検査群で有意に少なかった。CIN3以上の前がん病変の罹患率(1,000人当たり)は、細胞診群の5.5件に対してHPV検査群では2.3件であり、CIN2以上の前がん病変の罹患率(1,000人当たり)も細胞診群の10.6件に対してHPV検査群では5.0件と有意に低かった。

以上の結果を踏まえて、Ogilvie氏は「今後、子宮頸がん検診はHPV検査が細胞診に取って代わる可能性がある」と話す。ただし、若い女性の多くは既にHPVに感染している可能性が高く、HPV検査により不要な治療が増えることが予想されるため、25歳未満の女性には細胞診が標準的な検査法となるのではとの見方を示している。

なお、子宮頸がん検診に関しては、米国産科婦人科学会(ACOG)は、21~29歳の女性には細胞診を3年ごと、30~65歳の女性には細胞診とHPV検査を5年ごと、あるいは細胞診を3年ごとに受けることを推奨している。一方、米国予防医療作業部会(USPSTF)は、2017年に公表した勧告の草案で29~65歳の女性には3年ごとに細胞診のみ、または5年ごとにHPV検査のみを受けることを勧めており、「細胞診の代わりにHPV検査を実施しても良い」とする見解を示している。

細胞診に代わってHPV検査を導入することについては、専門家の間でも意見が分かれている。米ワシントン大学医学部産婦人科学教授のStewart Massad氏は、同誌の付随論評で、Ogilvie氏らの研究を踏まえてガイドラインにおけるHPV検査の位置付けが高まると予測する。一方、米ニューヨーク・プレスビテリアン/コロンビア大学医療センターのJason Wright氏は、たった1件の研究結果で判断するのは時期尚早だとし、慎重な姿勢を示している。(HealthDay News 2018年7月3日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/cervical-cancer-news-95/is-the-pap-smear-on-the-way-out-735448.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES