1HDN7月19日「パッケージニュース」No.2
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米国医師で燃え尽きが蔓延、重大な医療ミスの原因に

米国の6,000人を超える医師を対象に、燃え尽き症候群や疲労感、自殺念慮、職場の安全対策レベル、最近の医療ミスの有無について尋ねた調査の結果、半数以上の医師に燃え尽き症候群の症状がみられ、そのような医師は医療ミスを犯しやすいことが明らかになった。調査は米スタンフォード大学医学部のDaniel Tawfik氏らが行ったもので、医師の10人に1人は過去3カ月以内に重大な医療ミスを1回以上起こしていることも明らかになった。詳細は「Mayo Clinic Proceedings」7月9日オンライン版に掲載された。

Tawfik氏によると、これまでの研究で医師の燃え尽き症候群は、薬の投与量や種類の間違い、臨床検査の過不足、患者の転倒や感染症、早期死亡に関与することが報告されている。過去の報告をまとめると、米国では年間10万~20万人の死亡例が医療ミスに関連しており、医師の2~3人に1人が燃え尽き症候群を経験しているとされている。

Tawfik氏らは今回、医師の燃え尽き症候群と職場の安全対策が医療ミスの危険性に及ぼす影響を調べるため、2014年8月から10月にかけて臨床現場で働く医師6,695人を対象にオンライン調査を実施した。

その結果、有効な回答が得られた医師(6,563人)の3.9%が職場の安全対策は「不十分」または「不備がある」と回答しており、そうした環境では、医療ミスが起こる危険性は3~4倍に上ることが分かった。

また、医師の燃え尽きに関しては職場の安全性の問題よりも深刻で、有効な回答が得られた医師(6,586人)の54.3%が「燃え尽き症候群の症状がある」と回答し、32.8%は過剰な疲労感を、6.5%は自殺念慮の経験を報告していた。

さらに、10人に1人(10.5%)は過去3カ月以内に重大な医療ミスを犯しており、そうした医師ではミスを犯していない医師に比べて燃え尽き症候群や疲労感、自殺念慮の経験を報告した人の割合が高かった。燃え尽き症候群の医師が多い施設では、職場環境が極めて安全と評価されていても医療ミスの危険性は約3倍であった。

論文の筆頭著者であるTawfik氏は今回の結果について、「医師個人の燃え尽き症候群だけでなく、職場の安全対策も重大な医療ミスと独立して強く関連することを示した点で重要だ」と強調する。また、こうした問題には多面的な対策が必要であるとし、「医師は患者のことだけでなく自分自身のケアにも気を配り、勤務時間や事務的な作業の負担を減らすなど、過度なストレスを軽減させるような自己管理を行う必要がある」と話している。

専門家の一人で米チューレーン大学医学部のJoshua Denson氏は「医療ミスの根本原因を見直すことはとても重要だ。また、この問題の解決を医療システムレベルから探ることも必要で、最近では、病院で働く従業員の心身の健康状態を管理する専門の職員を配置する病院も増えてきている」とコメントしている。(HealthDay News 2018年7月9日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/doctor-news-206/doctor-burnout-widespread-helps-drive-many-medical-errors-735560.html

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