1HDN7月19日「パッケージニュース」No.3
image_print
医療・健康ニュース/パッケージニュース/

パッチ型デバイスで未診断の心房細動を早期発見

不整脈の一つである心房細動は症状が現れないことも多く、見逃されやすい。こうした中、胸部に装着するパッチ型のウェアラブルデバイスで心電図(ECG)モニタリングを行うと未診断の心房細動の早期発見につながることが、米スクリプス・トランスレーショナル科学研究所(STSI)デジタルメディシン部門のSteven Steinhubl氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」7月10日号に掲載された。

このウェアラブルデバイスは、iRhythm社が製造した「Zio XTワイヤレスパッチ」と呼ばれるもの。経皮的にECGデータのモニタリングを行うことで不整脈の徴候を捉えることができる。Steinhubl氏らによれば、今回、このデバイスを使用した患者では、通常ケアを受けた患者と比べて心房細動の新規診断率が約3倍に向上することが示されたという。

この研究は、Janssen Pharmaceuticals社と米国立衛生研究所(NIH)の助成を受けて実施された。まず、心房細動のリスク因子を有する2,659人(平均年齢72.4歳、女性38.6%)を対象としたランダム化比較試験(RCT)を実施し、さらにRCTでウェアラブルデバイスによる積極的なモニタリングを行った1,738人(積極的モニタリング群)と、同じ医療保険プランに加入する年齢や性、CHA2DS2-VAScスコアを一致させた通常ケアのみを行う3,476人(対照群)を対象とした前向き観察研究を実施した。

RCTでは、対象者を試験登録から最長で4週間にわたって自宅でウェアラブルデバイスを用いたECGモニタリングを行う群(早期開始群)と試験登録から4カ月後にデバイスの使用を開始する群(遅延開始群)にランダムに割り付けた。その結果、試験開始から4カ月後までに心房細動と新規に診断された患者の割合は遅延開始群の0.9%に対して早期開始群では3.9%であった。

また、観察研究の結果、1年後までの心房細動の新規診断率(100人年当たり)は、対照群の2.6件に対して積極的モニタリング群では6.7件と高かった。さらに、対照群と比べて積極的モニタリング群では抗凝固薬の使用を開始した患者の割合が高く、循環器科やプライマリケア医の受診率が高かった。一方、心房細動に関連した救急科の受診および入院の頻度は両群間で差はみられなかった。

Steinhubl氏は、同研究所のプレスリリースで「心房細動は脳卒中リスクを高めるため、できるだけ早期に発見することが重要だ」と強調する。今回の研究には関与していない米レノックス・ヒル病院のSatjit Bhusri氏も「心房細動を動悸や失神、脳卒中が起こる前の段階で見つけることで、未診断の心房細動に起因した脳卒中のリスクを低減できる」としている。

一方、米スタテン・アイランド大学病院のMarcin Kowalski氏は「Zio XT パッチのようなデバイスの登場は、医療の質の向上に寄与する可能性がある」とした上で、情報量の増大により医療システムや医療従事者の負担が増えるという新しい課題がもたらされる可能性を指摘している。(HealthDay News 2018年7月10日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/atrial-fibrillation-959/wearable-at-home-patch-could-spot-your-a-fib-early-735599.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.

RELATED ARTICLES