1HDN7月26日「パッケージニュース」No.4
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プロバイオティクスの安全性は「データ不十分」、専門家ら指摘

腸内細菌叢のバランスを改善し、身体に良い影響を及ぼすことで人気のプロバイオティクスだが、その安全性に関するデータは不十分であることが、パリ・デカルト大学(フランス)のAida Bafeta氏らによる分析で明らかになった。プロバイオティクスやプレバイオティクス、シンバイオティクスの有効性や安全性を検証したランダム化比較試験(RCT)の論文のシステマティックレビューを行った結果、安全性に関する報告がない試験が全体の37%を占めていたことが分かったという。詳細は「Annals of Internal Medicine」7月17日オンライン版に掲載された。

Bafeta氏らは今回、2015年1月から2018年3月までに発表されたプロバイオティクスやプレバイオティクス、シンバイオティクスの有効性や安全性を評価したRCT論文を検索し、基準を満たした384件の論文データを分析した。これらのRCTには、計136人の健康なボランティアと計248人のさまざまな疾患を抱える患者が対象とされていた。

その結果、有害性に関するデータが全く明らかにされていない試験は全体の28%、安全性に関するデータの報告がない試験は37%を占めていた。さらに、80%の試験では重篤な有害事象の発生件数が明らかにされていなかった。このことから、Bafeta氏らは「安全性データの報告がない中で、プロバイオティクスによる介入は安全だと結論づけることはできない」との見解を示している。

米国消化器病学会(AGA)によれば、プロバイオティクスには免疫系を強化して感染症を予防する作用や悪玉菌の増殖を抑える作用などが期待されている。しかし、Bafeta氏らは「持病がある人や免疫力が低下した人は、プロバイオティクスの摂取によって有害な影響を受けやすい」と指摘する。プロバイオティクスの摂取と全身性の感染症とを関連づける報告もあるほか、代謝や過剰な免疫反応を引き起こす可能性も懸念されるという。

今回の報告を受け、米レノックス・ヒル病院で炎症性腸疾患プログラムの責任者を務めるArun Swaminath氏は「これらの臨床試験を実施した研究者たちの多くが有害性の報告は不要だと考えていたことに衝撃を受けた」と話す。

また、米ベイラー医科大学のGeoffrey Preidis氏は「Bafeta氏らの報告は、プロバイオティクス製品が安全ではないことを示すものではなく、安全性データを厳密に報告することの重要性を強調するものだ」と説明している。その上で、同氏は「全般的には、ほとんどの人ではプロバイオティクスやプレバイオティクス、シンバイオティクスの安全性は高いと考えられる。ただし、これらの摂取を始める際には事前に医師に相談する必要があることを、今回の研究で再認識させられた」と話している。(HealthDay News 2018年7月17日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/bacteria-960/jury-still-out-on-probiotics-735863.html

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