1HDN8月2日「パッケージニュース」No.2
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女性の妊娠歴や出産歴が認知症リスクと関連か

出産回数が多い女性や妊娠可能な期間が長い女性、生涯で妊娠した期間が長い女性は、認知症を発症するリスクが低い可能性のあることが、米国で実施された新たな2件の研究で示された。いずれの研究も、詳細はアルツハイマー病協会国際会議(AAIC、7月22~26日、米シカゴ)で報告された。

同協会によると、米国では認知症患者のほぼ3分の2を女性が占めるという。その理由として、女性の方が男性よりも寿命が長いことが指摘されているが、今回発表された一方の研究を実施した米カイザーパーマネンテ北カリフォルニアのPaola Gilsanz氏は「理由はそれだけでないことが分かってきた」と指摘している。

まず、Gilsanz氏らの研究では、1964~1973年に40~55歳であった女性1万4,595人の医療記録を用いて、出産歴と認知症の発症リスクとの関連について調べた。その結果、子どもが3人以上いる女性は、子どもが1人の女性に比べて認知症リスクが12%低いことが分かった。

また、妊娠可能な期間の長さも認知症リスクと関連する可能性が示された。認知症リスクは妊娠可能な期間が38~44年だった女性に比べて、その期間が21~30年とより短かった女性で33%高かった。さらに、認知症リスクは初潮を13歳で迎えた女性に比べて、16歳以上で迎えた女性では31%高く、45歳以降も月経があった女性に比べて、45歳以下で自然閉経した女性では28%高いことも分かった。

Gilsanz氏は「女性の生殖能力が認知症リスクと関連する理由は不明だが、これまでの基礎研究で女性ホルモン(エストロゲン)は認知症に予防的に働く可能性のあることが示唆されている」と説明している。

さらに、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)人類学・精神行動科学部のMolly Fox氏らが実施したもう一方の研究では、英国の高齢女性133人を対象に、妊娠歴とアルツハイマー病の発症リスクとの関連を調べた。その結果、生涯のうち妊娠していた期間が長いほどアルツハイマー病リスクは低いことが分かった。妊娠していた期間が1カ月延びるごとに、アルツハイマー病リスクは5.5%低下していたという。同氏らは「妊娠が女性の免疫系に有益な作用をもたらし、その後の脳の健康にも何らかのよい影響をもたらした可能性が考えられる」と話している。

専門家の一人でアルツハイマー病協会のKeith Fargo氏は「認知症は高齢になってから心配すればよいと考えられてきたが、最近では中年期の血圧や2型糖尿病の既往など、若いころの因子による影響が注目を集めている」と指摘する。今回の2つの研究から、女性の免疫系、妊娠中や生涯の栄養状態、女性ホルモンの血中濃度などさまざまな因子が認知症リスクに影響している可能性が考えられるが、これらの関連は現時点では推測に過ぎず、さらなる研究が必要であることを付け加えている。(HealthDay News 2018年7月23日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/having-more-kids-tied-to-lower-odds-of-alzheimer-s-in-women-736014.html

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